動物たちが愛を育み、活動的になる暖かい季節は、
9つ全ての世界の者たちが、心待ちにしている狩猟の時でもあります。
そんな季節に雷の神のトールは、巨人を退治しようと、
悪戯者のロキと共に、巨人の国の首都、ウトガルドを訪れるのです・・・




お話しの始まり 『北欧神話 1』     前回の記事 『ウトガルドで技競べ 3』





トールロキは、その貧しそうな家の戸を叩きました。

すると中から、農夫と女房が出てきたのです。

見ると、家の中には男の子と女の子が1人ずつ。

誰が来たのかと、こちらを見ています。



農夫と女房は、余りにも大きな男がやって来たので、

恐怖で ぶるぶると震え出してしまいました。



するとロキ

『今夜の宿を貸してもらいたい。

 それと、食べ物も。』

そう明るく伝えると、

『宿は貸してあげましょう。

 しかし、食べ物は・・・』

と、農夫が恐々答えました。

すると女房がすかさず、

『うちにある、わずかばかりの野菜のスープなら

 さしあげられますよ。

 でも、肉やパンはありません。』

とハッキリとした声でこたえました。



『鶏も居ないのかい?』

ロキは驚いて、辺りをきょろきょろと見渡しました。



それを聞いた農夫は、

ただうつむいて首を横に振りました。





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おしまいっ。