遠い昔、 長い大戦の末に アース神族とヴァン神族は 永遠の平和を誓い合いました。
その誓いを忘れぬ為に、 神々の王オーディンは、 1人の人間を作りだしました。 しかし ・・・
巨人ヴォルヴェルグに扮したオーディンは、少し考えて、
『どうしてスッツングは、魔法の酒を誰にもやらんのだろう?
どうして、独り占めしたいのだろう?
では、どうだい。
その酒を盗み出して、山分けしないか?
何としても俺は、その酒を1杯飲みたいんだよ。
それ位なら、手伝ってくれても良いだろう?』
というと、
『それは難しいよ。
だって、どこに隠してあるか俺は知らないよ。
あんたは、知っているのかい?』
と、パウギは、おどおどしながら答えました。
オーディンもまた、どこに隠されているかは知りません。
ただスッツングの棲家である、
この山の中のどこかだろうとだけ、予想をしていました。
オーディンは山の中心に、入ってみようと考えました。
そこでベルトにぶら下げている、袋の中から
大きな錐(きり)を取り出すと、
『パウギよ、お前くらいに力持ちならば、
この岩に、この錐で穴をあけて、
向こうと、こちらを貫通させる位できるだろう?
酒がなかなか飲めないなら、
お前は、それ位の手伝いをしてくれてもいいだろう?』
そう云うと、パウギに錐を手渡しました。
パウギは、この男にいつまでも関っていると、
ろくな事が無いから、どうやって男から逃げようか、
そんなことを考えながら、
大きな岩に、錐で穴をあけ始めたのです。
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おしまい。