この記事は、穂吉のブログの「2012-12-13 16:42:26」にUPした『日本の神話213. ~第四部 大和朝廷~ =第二〇章 安康(あんこう)天皇=』という記事を再編成してUPしています。
最初のお話し 『日本の神話01』 前回のお話し 『日本の神話212』
この回も、大君、穴穂命(あなほのみこと)
(安康天皇(あんこうてんのう))様の御世のお話しです。
父である、允恭天皇(いんぎょうてんのう)の御子たちの中の、
三番目の皇子であり、兄上である、
安康天皇が殺されてしまったにもかかわらず、
何もしようとはなさらない、
二番目の皇子で兄の、境黒日子王(さかいのくろひこのおおきみ)様と、
四番目の皇子で兄の、八瓜白日子王(やつりのしらひこのおおきみ)様を、
次々と殺してしまった、
五番目で末の皇子の大長谷命(おおはつせのみこと)様でした。
このために允恭天皇の皇子は、
大長谷命様、ただ、お一人になられてしまいました。
大長谷命様は、軍勢を引き連れて、
父であり天皇を討った、
眉弱王(まよわのおおきみ)様を追われました。
そしてが眉弱王逃げ込んだ、
円大臣(つぶらのおおおみ)の屋敷へと向うと、
屋敷を取り囲み、矢を打ち込んだのでした。
円大臣も自分の兵達を屋根へと上らせて、
大長谷命様へと、応戦いたしました。
円大臣の兵達の射る矢は、
風を切り、素早く激しく飛んで行くのです。
このあまりに激しい矢の攻撃に
大長谷命様の軍勢は、
盾で身を守るだけになってしまったのです。
そこで大長谷命様は、
『先日、私が娶りたいと申した姫は、
今、この屋敷の中に居るのか。』
と邸内を見渡しながら、大きなお声で仰りました。
すると、円大臣はこの言葉に応えるために、
自ら進んで、屋敷の門の前に出てまいりました。
そして、身に帯びていた武器を取り外すと、
恭(うやうや)しく、大長谷命様へと、拝礼をされました。
そして、
『先日、大長谷命様が
御下問(ごかもん)くださいました、
私の娘の韓比売(からひめ)は、
今、屋敷の中に居ります。
娘に、五つの御料地(ごりょうち)を添えて、
貴方様へと奉(たてまつり)りたいと存じます。
しかしながら、
何故、娘が今ここに出てこないのかと申しますと、
家の中には、御客人がいらっしゃるからでございます。
遠き昔より、こんにちまで、
家臣が王子様の屋敷に逃げて、
匿(かくま)ってもらったと云う話しは数々ございます。
しかし王子様が、
家臣の家に逃げ込んだと云う話は、
私は、今までに聞いたことがございません。
さらに私は、貴方様と戦っても、勝つことは出来ないでしょう。
それでも王子様は、私を頼って来てくださったのです。
ですから、私の家の全ての者は、
死んでも王子様をお渡しすることは出来ません。』
そう高らかに申し上げると、
円大臣は、先ほど外した武器を持ち、
勇ましく屋敷内に戻って行ったのです。
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
おしまい。

