NGCCとIGCC
NGCC(天然ガスコンバインドサイクル発電)とIGCC(石炭ガス化複合発電)について説明していきます。
1. 基本的な仕組みの違い
NGCCの仕組み:
- 天然ガスをそのまま燃焼室に送り込みます
- 圧縮空気と混ぜて燃焼させ、高温・高圧のガスを作ります
- このガスでガスタービンを回して第1段階の発電を行います
- 排熱で水を沸騰させ、蒸気タービンで第2段階の発電を行います
IGCCの仕組み:
- まず石炭を粉砕し、酸素と水蒸気と反応させてガス化します
- 生成された石炭ガス(一酸化炭素と水素が主成分)を冷却・精製します
- 精製したガスを燃焼させてガスタービンを回します
- 排熱で蒸気を作り、蒸気タービンでも発電します
具体例として、日本の勿来(なこそ)パワーステーション(福島県)では、石炭処理量約1,700トン/日、出力約525MWで発電効率約48%を達成しています。
一方、川崎火力発電所のNGCCユニットは、同程度の出力で発電効率62%を実現しています。
2. 効率の違いが生まれる理由
プロセスの複雑さによるエネルギーロス:
- NGCCは燃料をそのまま使えるため、前処理でのエネルギーロスがありません
- IGCCは石炭のガス化に1,200-1,500℃の高温が必要で、このプロセスでエネルギーを消費します
- ガス化後の冷却・精製工程でもエネルギーロスが発生します
燃料の性質による違い:
- 天然ガスは軽い分子(主にCH4)で、燃焼効率が良好です
- 石炭から作られるガスは、一酸化炭素(CO)や水素(H2)の混合物で、燃焼特性が若干劣ります
設備の違い:
- NGCCは比較的シンプルな設備構成で済みます
- IGCCは石炭の前処理、ガス化、ガス精製など多くの付帯設備が必要です
3. 環境性能の比較
CO2排出:
- IGCC:0.65-0.75 kg-CO2/kWh
- 従来型石炭火力:0.87 kg-CO2/kWh
実例として、100万kWhの電力を発電する場合:
- NGCCなら約370トンのCO2を排出
- IGCCなら約700トンのCO2を排出
- 年間で換算すると数十万トンの差になります
その他の環境負荷:
- 両方式とも従来型の石炭火力と比べて硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)の排出が少ない
- IGCCは石炭中の不純物を効率的に除去できる利点があります
- NGCCは元々クリーンな燃料を使うため、追加の環境対策が少なくて済みます
4. 経済性の比較
建設コスト:
- NGCC:約12-15万円/kW
- IGCC:約25-30万円/kW
- IGCCは設備が複雑なため、建設費が約2倍必要です
運転コスト:
- IGCCは燃料(石炭)は安価だが、設備の維持管理に多くのコストが必要
5. それぞれの特徴的な利点
NGCCの利点:
- 高い発電効率
- 低いCO2排出
- 建設コストが比較的安価
- 運転・制御が容易
- 起動停止が速い(2-3時間程度)
IGCCの利点:
- 安価な石炭が使える
- 燃料調達の安定性が高い
- 従来の石炭火力より環境性能が大幅に向上
- 将来的なCO2回収への対応が容易
6. 今後の展望
技術開発の方向性:
- NGCCは水素混焼やアンモニア混焼による低炭素化
- IGCCはさらなる効率向上とCO2回収技術の統合
- 両技術ともCCUS(CO2回収・利用・貯留)との組み合わせが検討されています
したがって、純粋な効率とCO2排出の観点からは天然ガスコンバインドサイクル(NGCC)の方が優れていますが、燃料調達の安定性や経済性を考慮すると、IGCCにも重要な役割があると言えます。
両技術は、それぞれの特徴を活かして相補的に利用されていくことが期待されています。
(注)
この文章は、AIに訊いてみたものです。
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ありがとうございました。
石炭火力を、IGCCに置き換えたらいいなあと思っていたので調べてみました。
以下は「note」に書いたものです。「アメブロ」の記事と画像とは内容が少し違います。
以下は英語で投稿したものです。
The following article was posted in English.
ありがとうございました!