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霊園の納骨に伺った時に、詩人・谷川俊太郎さんの詩が墓に刻まれていた。「魂のいちばんおいしいところ」じっくりと読んで下さい。

【神様が大地と水と太陽をくれた
大地と水と太陽がりんごの木をくれた
りんごの木が真っ赤なりんごの実をくれた
そのりんごをあなたが私にくれた
やわらかいふたつのてのひらに包んで
まるで世界の初まりのような
朝の光といっしょに

何ひとつ言葉はなくとも
あなたは私に今日をくれた
失われることのない時をくれた
りんごを実らせた人々のほほえみと歌をくれた
もしかすると悲しみも
私たちの上にひろがる青空にひそむ
あのあてどもないものに逆らって

そうしてあなたは自分でも気づかずに
あなたの魂のいちばんおいしいところを
私にくれた】

最近は墓石や法名塔に名前や戒名ではなく、後世に伝えたい言葉を刻む方が増えてきた。墓参りで通りすがりの方たちが、感動と希望を仏から頂くありがたい墓所であってもいい。