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祈願依頼の女性は、臨月で大きなお腹と不安を抱えて来られた。


「赤ちゃんに異常があると言われ・・・」坊主の私に何ができるのか?不安を解消するにはどうしたらいいのか?

お腹に手を当て念じた。ん?『あなたタバコを吸う?』「はい」『ご主人は?』「吸います」『赤ちゃんは苦しいよ』「そうですか~」なんたることか。

『ヘビースモーカーのあなたには辛いかもしれないが、せめて子どもが二十歳になるまではタバコを止めなさい』助かりたい気持ちゆえ「はい!止めます」『もし吸ったら当寺にはもう来ないで』と、私に珍しく厳しい言葉だった。

そしてまた来られ「また妊娠したのですがどうも悪くて」私は以前と同じ事をたずねた『今でもタバコ吸っているの?』


ニヤッと笑みを浮かべ「はい」私が手を当てた最初の子は、本堂を元気に走り回っていた。


自ら苦しみを作るタイプなのだろう。