沢山の理由がありますが、その中でも大きな出来事がありました。
ある仮設住宅のお住まいの方です。
その方は、震災前まで畑仕事をしていましたが、仮設に入って以降それが出来なくなりました。そしてやがて、歩く事が大変になり、床から立ったり座ったする動作が困難になりました。そして、やがてほぼ寝たきりの生活となりました。そして、肺炎になり入院を繰り返すようになり、なかなか病院から帰ってこないと思っていた所、ある日病院で息を引き取ったと耳にしました。
私は、このような方をこれ以上増やしたくないと想い、仲間と共にりぷらすを立ち上げ今も活動を続けています。しかし、担い手が足りません。時間も迫っています。私たちの道は簡単なものではありません。誰も行った事が無い事を成し遂げようとしています。しかし、それは可能であり達成出来ると確信しています。
私たちが活動している地域は、介護度の増加率が全国でワースト1位の宮城県、その中でもワースト2位の石巻市です。その石巻市の中でも、震災前から医療や介護の過疎地である河北に拠点を構えております。私たちの事業所には、この河北地区の他に、北上地区、雄勝地区の方が来られます。いずれも、リハビリテーションの専門職が1名もいないリハビリテーション過疎地です。もちろん、合併前の石巻市(現在の石巻市は1市6町村の合併)より高齢化は進んでいます。
この地区にて、全国的に例が稀な介護保険からの卒業を目指したデイサービスを行っています。そして、その方の受け皿としてフィットネスを用意しました。ここには現在、認知症の方や癌の術後の方など、一般では対応出来ないような方が多く来られています。さらに、私たちの施設だけではなく地域で病気や障がいの予防が出来るよう、その人材を地域住民から育成します。そして、その方が活動出来る場所を一緒に創って行きます。とはいっても、活動をしなければならないわけではありません。知識がある事でいざという時の適切な行動に繋がりますので、それはそれで意義がある事です。そして、地域に住む多様な方を知る、また知識や技術を知るために、地域交流促進事業を行っています。震災後、当たり前にあった社会がなくなり、今まで当たり前に行っていた畑仕事が出来なくなった方が大勢います。行きたい所に行けなくなった方も大勢います。その方が、新たに歩き出すきっかけとなるような事を、色んな人と楽しく行って行きます。
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