台風12号の被災者を支援しようと地元や全国から集まったボランティアが、被害が大きい和歌山県新宮市熊野川町や那智勝浦町などで泥出しや炊き出し、リハ ビリ指導などの活動をしている。1カ月半以上たった今も続けており、ボランティアは「被災者の喜ぶ顔が見たい」と口をそろえる。


 リハビリのボランティア団体「フェイス・ツー・フェイス東日本大震災リハビリネットワーク」(FTF)=本部・神奈川県海老名市=は熊野川町で活動を続ける。

  FTFは東日本大震災をきっかけにリハビリ医や理学療法士、言語療法士などリハビリの技術を持った有志で発足。メンバーは全国に約90人いて、5月から宮 城県石巻市と気仙沼市、福島県南相馬市、岩手県陸前高田市などで活動している。台風12号を受け、みなべ町気佐藤出身で大阪府の病院に勤める理学療法士、 森本直さん(35)ら関西のメンバー4人が和歌山県や三重県内で活動を始めた。

 19、20の両日には、メンバーの理学療法士、入江真紀さん(39)=兵庫県明石市=が地元の保健師と一緒に被災者宅を1軒ずつ回った。

  熊野川町日足、木村時江さん(74)宅では、足に持病を持つ木村さんに運動指導。木村さんは月に1回ペースでリハビリのため病院に通っていたが、水害後は 行けない状況で、不安を抱えていた。入江さんは木村さんの足の状態を確認し、効果的な運動の仕方を助言した。木村さんは「わざわざ来てくれてありがたい。 不安が和らいだ」と喜んだ。

 熊野川町の対象者は45人で、必要であれば再訪問もする。森本さんは「特に高齢者は環境が変わっただけでも体調を壊す。閉じこもりっきりで静脈血栓になったり足腰が弱ったりする。新宮市は父の出身地でもあり、古里のために支援ができればと思う」と話す。

 海南市の森本吉紀さん(40)はボランティア団体「オンザロード」(本部・東京都)のメンバーら6人と一緒に20日、那智勝浦町の被災者が避難生活している旧大型保養施設でうどんの炊き出しをした。

 森本さんはわかやま産業振興財団(和歌山市)の同僚と一緒に東日本大震災の被災地にゴールデンウイークから月1回ペースで訪れ、支援活動を続けてきた。台風後は活動の場を県内に移し、連休を利用して泥出しやがれきの撤去、ごみ分別作業などを続けている。

 今回、「被災者に温かい物を食べてもらって気分を和らげてもらいたい」とうどんの炊き出しを企画。食材を田辺市や新宮市などの会社から提供してもらい、被災者110人に振る舞った。ミカンも配った。

 11月7日には海南市の理髪店の協力で散髪ボランティアもする予定。


【被災者に運動指導をするボランティア団体メンバー(右)=和歌山県新宮市熊野川町で】