北海道はもうすっかり雪が積もってますね。

沖縄に行きたい。

くたばるまで海辺でずーっとオリオンビール飲みながらソーキそば食ってたい。



今日は

ソナチネ

紹介していきます。







  こんな人にオススメ!

絵画、グラフィックなどの美術が好きな方

たけし映画ってなにがいいの?という方






  あらすじ

村川は広域暴力団北島組の傘下である村川組の組長。

ある日北島に呼び出された村川は沖縄に行ってほしいと頼まれる。

現在沖縄では北島組と友好関係にある中松組が、同じく沖縄を拠点に活動する阿南組と抗争になっていた。

その応援を村川と村川組員に頼みたいのだと言う。

抗争は治まりつつあり、応援が行けばすぐに手打ちになるだろうという北島の言葉を信じ、部下を連れて沖縄に訪れた村川。

しかし、話とは違い阿南組の攻撃は激しく、到着早々に多くの村川組員が命を落とす。

危機感と強烈な違和感を覚えた村川と生き残った組員は、一時中松組の隠れ家で身を潜めることとする。

暇を持て余した村川達は海沿いの隠れ家で遊んで過ごす。






  美麗過ぎるアート作品

先日は北野武映画として「座頭市」を紹介しました。



この「座頭市」や「アウトレイジ」など、たけし映画は段々とエンタメとしての側面を強くしていき、一種の活劇として昇華していくことになります。


所謂後期作品と呼ばれるこれらの面白さをみるに、やはり北野武監督は強烈なセンスを持つ敏腕映画監督なのだと思い知らされるのですが、


彼の天才性、アーティストとしての匂い立つような作家性を感じるのはやはり初期作品。


そしてこの「ソナチネ」はその到達点とも言うべき作品です。


沖縄の美しい海辺で、ヤクザが無邪気に遊ぶ。


この訳のわからないシュールな構図を考えつくのは世界広しと言えど北野監督だけでしょう。


作中のヤクザ達、特に主人公の村川は独特の死生観で生きており、自分の命も他人の命も尊重しません。


虫けらのように人を殺すし、虫けらのように殺されても別に構わないと思っている。


そんないつ死ぬかわからないヒリヒリした人間が、死とは無縁に見える、ある種天国のような美しい風景で子供のようにはしゃぐ。


この独特の二律背反と破滅が約束されている彼らの儚さは抜けるような空や青い海を一層際立たせます。


たけし映画といえば青を印象的に見せる「キタノブルー」という画面で有名ですが、

そのキタノブルーが最も効果的かつ最も多用されているのがこの映画。


画面一コマ一コマがまるで絵画のように美しいです。


しかし、脚本や筋について言うと、映像美やテーマが先行する映画なのでエンタメ性には欠けるところがあります。


また、たけし映画は余計な説明セリフをすっ飛ばして画面の端々で設定や状況を語るところがあるので、

暴力団の勢力図や人物の背景などが掴みづらい部分もあるかもです。


なのですごくすごくぶっちゃけ言うと、

もうあらすじとかストーリーとかネタバレサイトで見ちゃってもいいかもしれません。


その上で、この映画の持つ強烈な空気感、映像美を堪能していただくのはひとつの楽しみ方です


お話を全部知っていてもハラハラできる、美しさに感動できる稀有な映画。


「座頭市」や「アウトレイジ」はエンタメとして完成され尽くしてる映画なので、それ故にハマらない人には

北野武の映画は所詮ただの派手な暴力映画

なんて不名誉な感想を抱かれることもあるかもしれません。


好みの問題もありますが、それでもこの「ソナチネ」は観てほしい!

芸術性特化なので面白い!とはならないかもしれませんが、

なぜ北野武監督が世界的に天才と呼ばれているのか、その理由がわかると思います。


是非お試しください!

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