『開運』は有名な静岡の地酒。
春もまだ浅い寒々としたとある日、私は静岡にいた。
ご一緒した方は、同じ業界の方でその日の仕事のスケジュールも終わり、新幹線へ乗る前につまみと開運のカップ酒を買った。新幹線に乗り込んで、早速蓋をあけると、馥郁とした香りと味で我々はすぐ幸せな気持ちになった。『いいですねぇ』『うまいね』なんていいながら、その方はもうすぐリタイヤしたいとか、リタイヤしたら奥さんと二人で南の島で暮らしたいとか具体的に楽しそうに語ってくれた。普段は仕事に厳しく、鋭いイメージがあっただけに私までどっぷり幸せになった。
人間って、楽しいお話を聞くだけで、その人が誠実な人であればまっすぐ伝わるのだと思う。
『開運』が語らせた素敵な話、その証拠に数日して会った時は元の厳しくも鋭い視線で出迎えていただいたのだった。
