浅草観音裏の呉服・貸衣裳「大菊」です。
「これは一生ものですよ~」
そんな言葉を呉服屋で語られたことがある方は少なくないのではないでしょうか。
特に結城紬は丈夫で着続けていくとしなやかになり三代は着られるといわれています。
僕は本当に三代着ている結城紬は見たことはありませんが、振袖のような礼装は一生ものとして、さらに代々お召しになっているものを知っています。
つまり特別な産地紬や袖を通す機会が少ない礼装なら一生ものという言葉は正しいのかもしれません。
先日お客様からお手入れでお預かりした紬の羽織を納品しに行った際のこと
「これいつ買ったかわかる?」
古めかしくもなく生地もへたっていないので、20年くらいかとお答えしたら「50年前」とのこと!
タンスの肥やしとなっているものならわかりますが、そういう方ではないので本当に驚き、そして昔の良い生地はこれほどまで丈夫なのかと感激しました。(しかも結城紬などの産地紬ではない普通の紬だったのがまたびっくり!)
一生ものというと値段がよく注目されますが、それよりも自分が気に入って長く使い続けることが出来るものがそうと言えるのではないでしょうか。