二手に分かれて不遜浪士が集まっている宿を

探すにあたり、近藤隊と土方隊にそれぞれ

足が早く暑い中でも走り通せる者を選んでいた

 

近藤隊も、虱潰しに宿をあたったが見つからず

池田屋まで来たが、前から長州が使用していて

一番疑われた宿に、わざわざ集まるか疑問だった

「策士策に溺れるで、まさか疑わまいと思って

いるかも知れん」

眼くだせすると安藤いか三人が裏口に回り

近藤は唾を呑み込むと戸を叩く

戸を開けた主人は血走った眼の近藤を見て

「お二階の皆さん、ごよう改めで…」

二階にいる客に大声で知らせる行動に、浪士が

いるのを会津藩から加わった近内は察して

近藤の目に承知と頷くと、素早くぬけだして

走り去った

それに疑問も見せず近藤沖田は階段を駆け上がる

長倉は主人を捕縛して上から来る敵に備えた