大長道場のブログ-200909302321000.jpg

時々まゆ毛の生える犬ケンタに対し

友人達は、少しでも慣れようと様々な作戦を練っていた。

ある友人は

「大長、俺は昨日“犬の気持ちが解る本"という題名の本を買ったゾ!」

得意気に言ってきた。


「何て書いてあった?」

「まずしゃがみ、目線を犬に合わせるんだ。」

「うん、それで?」

「それでだな、目を合わせると敵だと思われるから目を瞑る。」

「へ~っ。それで?」

「それでだな、“お控えなすって"の要領で掌を上にして、犬の目線より下の方に手を出す。」

「??危なくね~か?」

「うん、大丈夫だ。そしてルルルルルと言う。」

「そうなんだ!ぢゃ今日ケンタに通用するか来てみるか?」

「おぅ行くよ。」

「よし来いっ!!」

友人の心意気を買い、大山茂師範並みの気合いで答えた。



我が家に近付く、足音や匂いからか、50m位離れた場所でも既に吠えている。

「ウォ~~~~~~~~~~ッ!」

「・・・・・。ヤベェよ。」と友人。
ケンタの姿を見る前に戦意喪失の様子。

「大丈夫だよ。とりあえず鎖に繋がってるから。」


グラグラの門の前に立つと、一際ケンタの怒り?も激しさを増した。

「ウォ~~~~~~~~~~ッ!!!
ガチャン!!(エサ入れ食器が引っくり返る音)
ドタン!!(ケンタ小屋が引っくり返る音)」

ダッシュしたりジャンプしたり、暴れまくる。

「今日ケンタヤバくねーか?」友人ビビりまくる。

「まぁ本を信じてやってみろ。」無責任に僕が言う。
門を開ける。

「ウォ~~~~~~~~~~ッ!!ウォ~~~~~~~~~~ッ!!!」
ケンタ激しさを増す。

「・・・・・。」友人ビビって身動き取れず立ち尽す。

「犬の気持ちが解る本だろ?本を信じてやってみろ!」

「分かった。」と言って、ケンタが届かないギリギリの所にしゃがみだした。

「ウォ~~~~~~~~~~ッ!!!」

しゃがんでも、ケンタの勢いが増しただけで、おとなしくなる気配無し。


頑張って薄目になる友人。完全に目を閉じる事はできなかった様だ。

「ウォ~~~~~~~~~~ッ!!!!」

ビビりながら掌を出す友人。

「ガルルルル!フッガ~~~~~~~~~~ッ!!」
鼻にシワを寄せ、白い牙を見せ、本気で噛みつく戦闘モードに入ったケンタ。

「ルルルルル・・・・・。」
と必死に友人が言う。


「フガ~~~~~~~~~~ッ!!!」
ケンタの怒りも最高潮。


「ダメだ~~ッ!」

ついに耐えられず、ギブアップした友人。

全くケンタには通用せず、犬の気持ちが解る本は、すぐに古本屋に持って行ったという。

ムツゴロウ先生でも噛みつかれるのでは無いか?と思われる、ケンタの全盛期であった。


またまた家に上がる時、一騒動あった事は言うまでもない。


皆ケンタに恐がっていた。しかし気になっていた。何とかなつかせたいと。
今のところ成功者はゼロだった。


次回は、狂暴なケンタでさえも撫でたい程、犬大好きな友人が来た時の話し。


ケンタを撫でる事ができたのか?
ケンタはなついたのか?


続きはまた。



犬とじゃれたい。パーソナルトレーナー大長武史。