春もとっくに過ぎ去るほど


長くそばにいて


もういなくても大丈夫かもしれないと


連絡を絶ってみて


あちらからも連絡がなくて


一緒に過ごした長い時間はいったい何だったのだろう


と心揺れながらも頑なに連絡をしなくて


思い出すことすら少なくなって


これでもう一人で生きていけるとまで思った


なのに


たった一言のメールで


私を揺さぶる


『元気ですか』


連絡を絶ったまま


関係も絶ってしまえばいいのに


どうして今頃


『元気ですか』


たくさんの言葉を打ち込んでは消して


結局一言になったのか


『元気ですか』


言葉の裏側にあるあなたの気持ちを


あるのかないのか分からないあなたの気持ちを


『元気ですか』


手探りで掴もうとする浅ましさ


こんなにもまだあなたが残っているのに気付いて


笑いと涙が一緒に込み上げる


返事をすれば


復活する


返信しなければ


離れていく


全ては私の手の中の電話次第


私の気持ち次第


どちらにも決められない私は


何度もメールを見ては閉じ見ては閉じを繰り返す


急に冬になった日の夜


十三夜の月