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あなたの姿をランチ会で見た時はびっくりして、とっさに目をそらした。


体の左側にあなたの視線を受けながら食べるランチは、味がしなくて。


何を食べてるのかさっぱり分からなくなってしまった。


意識だけはいつもの何倍も向かっているのに、見る事さえ躊躇われる。


周りに人がいるから。


二人の関係を悟られてはいけないから。



……。


そうなのだ。


あなたと関係を続ける以上、こんな場面がこれからも出てくる。


その度に、こんな思いをしなければならないのだ。


苦しすぎる。


ただ、あなたと一緒にいたいだけなのに。


世間的に認められない関係だから。


視線すら合わせられない。


あなたの目の前の女性に嫉妬する。


馬鹿みたい。


あの人とあなたとの間に、知り合いという関係以上のものは無いと分かっているのに。



花束をくれた、目の前の人。


ニコニコとしながら、嬉しそうにご飯を食べている。


この人とだったら、こんな苦しい思いをしなくて済むのかしら。


手を繋いで街を歩いて。


人の目を気にすることなく、いつでも視線を絡めて。


この人とだったら、幸せな家庭を築く事が出来るのかもしれない。


きっと、良い夫、良い父親になるに違いない。


私だって、結婚して、子供を産んで、家族を作りたい。


あなたとでは、望む事の出来ない夢。


この人とだったら、叶える事が出来る夢。



だからこそ。


私は迷いながら、薔薇の花束を受け取り、あなたとの待ち合わせ場所に抱えていったのだ。


終わりが近い事を、伝える為に。


迷いながらも、他の人と手を繋ぐために。




続く