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朝から何も食べてなくて、さすがに小腹が空いてきた。
商店街に戻って店を探した。
やっぱり昔行ってた店に入りたいよな。
あのラーメン屋、まだあるかな。
あつあつのもやしそば、懐かしい。
食いたいな。
様変わりして知らない町のようになった商店街をしばらく歩く。
あっ、あった!
修繕をほとんどしていないのか、建物自体が灰色にくすみ、
店の看板にもヒビが入っている。
古びた赤い暖簾が、ガラス戸の中に見える。
準備中。
タイミング悪いな。
16時半。
もう少し待ったら開店するのかな。
店の前に、写真付のメニューが貼ってある。
回鍋肉に麻婆豆腐、チャーハン、なぜか焼魚定食と焼肉定食。
中華屋じゃなかったのか?
母親が好きで、良く出前をとったり食べに来たりしていた。
私には記憶がないが、一人で来てラーメンを食べた事もあったらしい。
「つるつるクダサイ」
すぐにどこの子供か分かったご主人が、いつものもやしそばを食べさせてくれて、
連絡をしてくれたのだと、母が嬉しそうに繰り返していたっけ。
その母もすでに他界した。
あの熱々のあんかけもやしそば、食べたかったな。
後ろ髪引かれながら、店の前を離れた。
続く