25
波に乗る事もなく、ただ波に体を任せて揺れていた。
いくら考えても答えが出ない。
頭を空っぽにする事も出来ない。
海の浄化作用どうしたんだよ。
スッキリしねぇなぁ。
このまま海に溶けちゃえば楽なのになぁ。
太陽が天辺に昇った頃、砂浜に上がった。
……腹減った。
もう強くなっている日差しが白く照りつけている、海沿いの道を歩く。
あっという間に水着が乾いて、道に黒く濃い影を落としている。
肩がジリジリと日に焼けているのが分かる。
今年も暑くなりそうだ。
店の引き戸を開くと、女子の笑い声が耳に入ってきた。
マイ……とナミ。
二人とも私服だ。
ナミはいつも通りのTシャツとジーパン。
マイはレースのスカートをはいてる。
「あ、帰ってきちゃった」
「何してんの?」
「今ね、ナミちゃんからトモヤのちっちゃい頃の事聞いてたの」
「ふうん」
余計な事話してないだろうな。
昼時の店の中は混雑していて、旨そうな匂いが充満してる。
リョウイチと姉ちゃんが出来上がった料理をテーブルに運んでる。
姉ちゃんは少しだるそうだ。
マイの視線から逃れるように姉ちゃんの傍に行く。
「姉ちゃん、代わるよ」
「うん、大丈夫。動いてる方が楽だもの」
「いいから休んどけよ」
姉ちゃんの手から強引にお盆を奪い取ると、出来上がってきた料理の皿を手に取った。
リョウイチが声をかけてきた。
「マイちゃん来てるんだから、相手してやれよ」
「うん、後で」
店の中で動き回る度に、マイとナミの視線を感じる。
続く