タバコの匂いで目を覚ます。


窓際のソファに腰掛けて、あなたがタバコを吸っている。


「起きた?」


声が出せずに、あなたの目を見つめたまま頷く。


白い煙が部屋に漂っている。


ベッドの隣は、まだ温もりが残っている。


体にシーツを巻きつけて立ち上がる。


離れていたくない。


二人きりの時間は短いから、ずっとあなたに触れていたい。


指先だけでもいいから。


ソファの足元に座って、顔をあなたの膝に預ける。


あなたの手が私の頭を撫でる。


小さな子供に戻ったようにホッとして、唇が自然と微笑みの形を作る。


あなたの膝越しに見る窓の外には、三分咲きの桜。


「もうすぐ満開だね」


「ん?」


「桜」


「ああ、そうだね」


「満開になったら、観に行きたいね」


「うん」


……。


「来週、行こうか」


「! ……うん!」


嬉しくて、あなたの膝によじ登って頬にキスをした。




続く