13
「俺は隣のクラスのナミみたいなのがいいな。すらっとしてて」
えっ、ナミ?!
「ナミが走ってるのって、格好良いんだよな」
「そう? 痩せてね?」
「それが良いんだよ。あのクールな顔がさ、どんな風に変わるのか見てぇ」
「だなぁ」
皆にはナミも女に見えるんだ、へぇ……。
兄弟みたいなモンだからなぁ。
「トモヤ、ナミの情報ないのかよ」
「情報って?」
「誰かと付き合ってるとか、好きとか、さ」
「うーん……何にも」
「役立たずだなー」
「好きなヤツもいないんじゃないの。男みたいだし」
「初恋前のナミちゃん?! いーねー」
マサが食いつく。
「ちょ、俺が先に良いって言ったんだから止めろよ」
「恋に後先なんてないだろ」
「俺も秘かに見てたんだから、勝手に手出すなよな」
「ナミちゃんの初めてはやっぱ俺でしょー」
きゃっきゃっ言いながら、軽く取っ組み合いを始める野郎約3名。
ナミの初めて?! 想像出来ねー……。
ナミって意外とモテるんだな。
本人には黙っとこ。
良い気になられても困るしな。
「トモヤ、マイと付き合っちまえよ」
いつの間にか隣に来ていたノリが、耳元で言った。
「いいじゃん、マイ。きっと楽しいぜ、アイツと付き合ったら」
「うーん」
「良いヤツじゃん。今誰も好きじゃないなら、試しに付き合ってみりゃいいじゃん」
「試しにって……失礼じゃね?」
「とにかくいっぺん付き合ったら、好きになっちまうよ。キスもしてるし」
「いや、アレは……」
「唾液の力を甘く見てはいかーん!」
「……」
「絶対惚れるって」
酒で真っ赤になった顔で、ノリがニッと笑った。
続く