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「プロデューサーに呼び出されて、人気のない公園に呼び出された。
用心しながら近づくと、DVDを見せられて。……あの夜の映像だった」
「……」
「このDVDを彼に見られたくなかったら、俺の言うとおりにしろって。
バックアップも取ってあるし、何枚でも焼けるって。
……彼に知られたくなかった。
あんなDVDを見られたら、彼に嫌われてしまう。彼があたしから離れていってしまう。
それだけは絶対に嫌だった。
だから……プロデューサーと寝たわ」
「……」
「それからも、たくさんの男達に抱かれて。DVDが増えていって。
ホテルのバーで歌う時も、あたしで遊んだ奴等が必ず店の片隅にいて。
気が気じゃなくて声が出せなくなって……結局首になった」
「……」
「もちろんデビューの話なんか進むはずも無くて。
次第に彼もおかしいって気付き始めて、どうなってるのか問いただされた。
……進んでるって嘘ついた。
そうじゃなかったら、きっと彼は、プロデューサー……詐欺師に話を聞きにいってしまうから。
彼と詐欺師が接触するのだけは本当に避けたかった。
あのDVDを彼に見られてしまったら、あたしは生きていけない」
続く