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……?
「リナさん?」
『……』
「リナさん?」
リナさんが俺の方を向く。
けれど、視点が合ってない。
俺の顔を透かして、何かを見ている。
「どうしたの?」
『……』
呼吸が浅く短くなっている。
何か思い出しかかっているのかも知れないけど、いつもとちょっと様子が違う?
暗いからあんまり顔色が見えないけど……。
「少し奥で休む?」
無言のまま、リナさんが頷く。
二人で立ち上がった瞬間、一際大きな音と共に雷が落ちてきた。
支えていたリナさんの背中が、ビクッと引きつる。
俺の腕をすり抜けて、リナさんが椅子を巻き込みながら倒れる。
その場にいた全員が、ビックリしてリナさんを見る。
リナさんは尻餅を付いたまま、頭を抱えて後ろずさっていく。
目が見開かれ、口は何かを話しているようにパクパクと動いている。
リナさん?!
リナさんの肩に手をかけようとした時、また雷の音が響いて。
一瞬の光の中で、雷の轟きよりも大きな悲鳴が聞こえた。
続く