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ライブは毎週のように続いていた。


そうして俺は、毎回ステージが終わってから辺りを警戒していた。


けど、あの男は現れなかった。


何だったんだろう。


何が目的で、リナさんの前に現れたんだろう。


あの男が、リナさんの記憶に関わってるのは間違いない。



知りたい。


知りたくない。


リナさんの過去。


相反する思いが、俺の中で渦巻く。


どんな過去であろうと、俺には受け止められる。


でも、全てを思い出したリナさんが、俺の傍にいるとは限らない。


堂々巡りする思い。


つい酒のグラスに手が伸びて、飲みすぎてしまった。


ふらつきながら、トイレに向かう。


心配顔のリナさんを、一人バーカウンターに残して。



トイレへの狭い通路で腕を掴まれる。


振り向くと、あの男だった。



いたのか!


手を振りほどこうとしても、足元がふらついて体に力が入らない。


くそっ、飲みすぎた!


フロアは爆音が流れていて、俺が今叫んでも、誰も気付かないだろう。


どうする?!



男が俺を壁に押し付けて、暗い目で俺を見据えている。


俺も負けずに睨み返す。


「あの女と寝たのか?」


関係ないだろ!


「寝たんだな」


むかついて横を向く。


「あの女の過去、知りたくないか」



まさか。


「あの女はな……」



!!



続く