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ライブ会場があるビルのロビーにあるカフェ。


店内にはR&Bが流れてる。


それだけで店の印象が10倍良く感じられる。


この時期BGMはクリスマスソングって店が多いからな。


心地良い音楽に足でリズムを取りながら、仕事で固くなった気持ちを解す。



湯気を立てるカップがテーブルに置かれる。


カフェオレが旨い季節になったよなぁ。


今日冷え込むって天気予報で言ってたし。


冷えた手にカフェオレボールを持って息を吹きかけながら、


ガラス越しにロビーを見る。


アイツまだかなぁ、腹減ったんだけど。



ロビーには大きなクリスマスツリーが飾られていて、たくさんの人が行き交う。


皆これから過ごす時間に期待して、嬉しそうな顔をしてる。


着飾ったたくさんの人達の手に、カラフルな色の紙袋。


プレゼントか。


あ、アイツに何か買ってきてやれば良かったな。


俺って気が利かねぇ……ま、いっか。



雑踏の中、一人の女がこっちに歩いてい来るのが見える。


ウエストが絞られて、肩パッドの入った細身の黒いコート。


ミニスカートから伸びた、無駄なもののついてない脚。


細い足首を包む黒いエナメルのヒール。


赤い薔薇の生花のついたリボンを首に巻いて。


待ち合わせに遅れているのか、急ぎ足で歩いてる。



良い女だなぁ。


あんな女と一緒に歩いたら、自慢できそうだな。


……あれ、店に入ってくる。


待ち合わせかな。



店のドアを開けた女性が、俺の方へ真っ直ぐ歩いてきた。


距離が近づくにつれ、本当に綺麗なのが分かって、


俺はカフェオレを持ったまま、ボンヤリと女性に見とれていた。



続く