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担任と相談した。


どこかの高校に、スポーツ推薦か何かで入れないかと。


または奨学金を貰えないかと。


事情を話したら、「調べてみる」と言ってくれた。


どこか見つかるといいんだけど。


ボクシングも続けたいし、高校だって行きたい。



父さんはどうして、俺に会社を辞めた事を話してくれなかったんだろう。


俺の事嫌いなのかな。


……どうして?


母さんが死ぬまでは、怖かったけど、優しかった。


なのに……。



家のドアの鍵が開く音がする。


父さんが帰ってきた。


会社を辞めたとカミングアウトしてからは、堂々と酒を飲みに行き、


朝は遅くまで寝ている。



「お帰り」


「……」
 

やっぱり酒臭い。


水を入れたコップと薬を用意する。


「寝るなら薬飲んでね」


「……」


「え?」


「俺に構うな」


「……何で?」


「俺はもう死にたいんだ」



「死ぬまで暇つぶししてるだけだ」


「! ……! そんな事言わないでよ!」


思わず父さんの腕を掴む。


その瞬間に、父さんの腕が動いて、俺は居間のドアに叩きつけられた。


ガラスの割れる音がして、右手に熱が走る。



手の甲から血が出てる!


「俺に構うなって言っただろ!」


そう言って父さんは居間を出て行ってしまった。



痛ってぇ……。


砕け散ったガラスが散乱する中で、右腕を上げて止血しながら、救急車を呼んだ。




続く