15


学校から帰ると、家の前に救急車とパトカーが止まっていた。



人だかりの中を覗くと、母さんの車がペシャンコの状態で壁に埋まっていた。


?!


救急車の中のベッドに誰か寝ている。


人ごみを強引に掻き分け、中を覗く。


母さんがいつも着ているスカートが見えた。




母さん!



「邪魔だからどいて」


救急隊員に声を掛けられる。


「お、俺の……!」


言葉が上手く出てこない。


「ご家族の方?! じゃあ、付き添いで乗ってください」


母さんが寝ているベッドのすぐ脇の椅子に座らされる。



母さんが頭から血を流して、顔をどす黒く染めている。


口には酸素マスク。


ベッドから落ちている腕が、変な方向に曲がっている。


これが……母さん?!



救急隊員が、受け入れしてくれる病院を探している声がする中で、


俺は何も出来ずに、母さんの微かに上下する胸を見ていた。



何でこんな事になってるんだ?


早く病院に連れて行ってやってくれ。


お願いだから!


冷え切って震える指先を自分で握り締めながら、働かない頭で祈った。



やがて救急車のエンジンがかかり、けたたましくサイレンが鳴り始めた。


そのサイレンの音に驚いて伸ばした背中に、汗が伝った。



続く