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「ど、どしたの?」


「……」


「……?」


「……良かった……」


「……何が?」


「チアキが……生きてて」


「……大げさじゃない?」


タイチが首を横に振った。


「昔飼ってた犬も……大好きだった役者も……母さんも」


「……?」


「俺が本当に欲しいもの……大切なものは、いつもいなくなっちゃうんだ」


「……」


「だから……チアキもいなくなっちゃうと思って……」


「……」


「チアキが死んじゃったら、俺のせい……」


「そんな事ないよ。つかオレ生きてるし」


「うん……怖かったんだ。だから……」


「だから?」


「俺が離れれば、チアキは大丈夫とか思って」


「……それで病院も学校も来なかったの?」


「うん」


「バッカだなぁ……つかオレ何かしたかなぁ、ってホンキで悩んでたんだけど」


「あ……ごめん」



手で涙をぬぐっても、後から後から涙が出て来て止まらないタイチ。


「良かった……チアキが生きてて」


その顔が、次第に笑顔に変わっていく。


「良い写真だね」


「……ホント?!」


「うん。俺が綺麗だ」


「……」


「嘘。普段の俺って、こんななんだな」



嬉しそうに何度も何度も写真を捲るタイチを見て、オレも嬉しくなってきた。



「大事にする。ありがとう」



続く