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タイチはいつの間にか横になって、寝息を立てていた。
さっきまでしゃべってたのに、いきなり寝るなよ、ビックリすんじゃん!
言いたい事だけしゃべって寝たその顔は、軽く微笑んでいて穏やかだった。
そうだよな。
タイチの母ちゃん、生きてるもんな。
きっといつか、会えるよな。
オレと父ちゃんはもう会えないけど。
会わしてやりたい。
有名になるのを待っても良いだろうけど。
万一有名になれなかったら、やっぱり自分で探すしかないんだ。
その時には、もっと探すのが大変になってるかもしれない。
だとしたら。
今、探し出すのがいいんだ。
明日、市役所に行って聞いてみよう。
そうして、母ちゃんと会えたら。
もしかしたらタイチはオヤマを辞めてしまうかもしれない。
そしたら、二度とあの子を見る事は出来なくなってしまう。
それでも。
母ちゃんと会わしてやりたい。
タイチが心から笑う顔を見てみたい。
縁側から少し涼しい風が入ってきて、部屋を通り抜ける。
線香はもう燃え尽きていて、香りだけが残る。
タイチにタオルケットをかけて、寝顔を見つめる。
きっと、母ちゃんと会わせてやるから。
オレが探し出すから。
もうちょっと待ってて。
そんな想いで、フラッシュを焚かずに、そっとシャッターを切った。
続く