57



涼しい風が頬を撫でる。


香ばしい匂いが鼻をくすぐる。


……レイナ……?


薄目を開ける。


あの後姿は……?


……なんだ、親父か……。



昨日は結局、二人でボトル1本を空けた。


久しぶりにあんなに飲んだ。


もう少しでボトルが空になりそうになった時、親父がぽつりと言った。


「お前とこんな風に飲めるなんてな」


俺も親父とこんな風に飲んで話せるなんて、思ってもいなかった。


嬉しかった。


昔は格好良くて憧れて怖かった親父が、昨日は何だか昔からの友達みたいで。



最後は二人ともぐでんぐでんで、親父のホテルの部屋に泊まらせてもらった。



起き上がってキッチンへ歩く。


水を飲んでいる俺の目の前に、チーズ目玉焼きとトーストが乗った皿が置かれる。


サラダにコーヒー。


親父の朝の定番だ。


旨そうだけど……何だか胃が気持ち悪い。


吐き気はないけど、食べる気がしない。



ゲンナリしながら皿を見つめる俺の前で、親父は旨そうにパクついてる。


俺よりも飲んでたんだけどなぁ。


どんだけ酒強いんだ?


やっぱり、俺は親父を越えられないのか?!



続く