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涼しい風が頬を撫でる。
香ばしい匂いが鼻をくすぐる。
……レイナ……?
薄目を開ける。
あの後姿は……?
……なんだ、親父か……。
昨日は結局、二人でボトル1本を空けた。
久しぶりにあんなに飲んだ。
もう少しでボトルが空になりそうになった時、親父がぽつりと言った。
「お前とこんな風に飲めるなんてな」
俺も親父とこんな風に飲んで話せるなんて、思ってもいなかった。
嬉しかった。
昔は格好良くて憧れて怖かった親父が、昨日は何だか昔からの友達みたいで。
最後は二人ともぐでんぐでんで、親父のホテルの部屋に泊まらせてもらった。
起き上がってキッチンへ歩く。
水を飲んでいる俺の目の前に、チーズ目玉焼きとトーストが乗った皿が置かれる。
サラダにコーヒー。
親父の朝の定番だ。
旨そうだけど……何だか胃が気持ち悪い。
吐き気はないけど、食べる気がしない。
ゲンナリしながら皿を見つめる俺の前で、親父は旨そうにパクついてる。
俺よりも飲んでたんだけどなぁ。
どんだけ酒強いんだ?
やっぱり、俺は親父を越えられないのか?!
続く