目の前に丼が置かれ、現実に引き戻される。


立ち上る湯気に反応して、腹の虫が鳴る。


旨い!


海にいると、腹が減るとかも忘れるからなぁ。



誰かが三線を弾き始めた。


周りの客がリズムを取って、体を揺らし始める。


やがて店中の客が、一人二人と立ち上がって踊り始める。


皆楽しそうな顔をして踊っている。


つられて、口を動かしながら軽くリズムを取る。


行儀悪いけど、こういう雰囲気に弱いから、乗らずにいられない。


ビールで飯を押し流す。


腹いっぱいだ。



「お兄ちゃんも踊らんと」


ほろ酔い加減のおばちゃんが手を引っ張る。


踊り方が分からなかったけど、見よう見まねで踊ってみる。


……楽しい。


ビールを煽る。


おっちゃんもおばちゃんも子供も、皆踊る。



泡盛のグラスを片手に、踊り続ける。


笑い声は止まらない。


都会より大きな星が輝く夜空に、三線の音が響く。



何もかも忘れて、ふわふわと踊り続けた。



続く