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たくさんの人、色とりどりのレッスン着。
水を飲む者、柔軟をする者、知り合いと挨拶を交わす者。
平静を装いながら、緊張が頭の上に漂う。
バックダンサーオーディション会場。
鏡張りの部屋にたくさんのダンサーが映りこむ。
皆が皆、上手そうに見える。
真剣な表情のダンサー達に気圧されそうになって、手で胸を押さえる。
51番、今日の私の名前。
配られたゼッケンを胸に貼り付けた。
さっきは200番くらいまでいた。
今はもっと増えてるだろう。
この中から、何人がステージに立てるのだろう。
会場の扉が開いて、空気が変わる。
スーツの男性とSHINYAさん、最後に大輝が入ってきた。
通り過ぎる大輝の背中。
踊るように歩く足元。
空気がキラキラと輝き始める。
これがスターのオーラなの?
ドキドキしすぎて、涙が出そうだ。
いかんいかん、これからが勝負なんだから。
席に着いた大輝が挨拶する。
「こんにちはー、大輝です!
今日は僕のバックダンサーオーディションに集まって頂いて、ありがとうございます!
こんなに集まって下さるなんて思っていなかったので、感激してます!
今回素敵なステージを一緒に作り上げたいと思っていますので、
まずは、今日のこの時間を一緒に楽しんでいきましょう!
よろしくお願い致します!」
うう、大輝ってば本当に礼儀正しい。
その後、SHINYAさんの挨拶が。
「今回ディレクターをさせて頂きますSHINYAです。
第一次審査では、基本的なダンスのスキルを見せて頂きます。
第二次審査では、一緒にステージを作っていけるのかどうか、を見せて頂きます。
俺は、その人の性格とか考え方とかが、全部ダンスに出ると思っています。
なので自分の持っているモノ、隠そうとせずに全て出し切って、俺と大輝君……さんに見せてください」
笑いが起こる。
SHINYAさんは場を和ませるのが上手い。
それもプロって事なのか。
「今日は僕が振付をしますので、皆さんにはそれを踊っていただきます。
で、選考をしまして、名前を呼ばれた方はそのまま、第二次審査に残って頂きます。
では、早速振り付け行きます」
えっ、大輝が振付けてくれるの?!
嬉しすぎる!
コンポから大輝の曲が流れる。
「この曲のサビの部分をやりまーす! まずは曲を一度聴いて下さい」
私の好きな曲。
何度も何度も聴いて、励ましてもらった。
この曲で踊れるなんて。
「では、振り付けしていきます! まずワン、で腕を上げて、ツーで降ろします」
鏡の中の大輝が踊り始める。
会場の緊張が一気に高まり、熱気が天井に集まる。
戦いが始まった。
見惚れてしまわないように、気を付けなきゃ。
続く