ショーケースが終わって、DJが曲を回し始める。


フロアで体育座りをしていた人達が立ち上がって、そのまま踊り始める。


皆ダンスをしている人達らしい。


ショーケースを見てテンションが上がったのか、


それぞれのやり方で体を動かし、盛り上がっている。


楽しそう。



私はといえば、リズムを取るのが精一杯。


恥ずかしいし……。


何だかつまらない。


皆みたいに思いっきり体を動かしてみたい。


あの中で音楽に身を任せて踊ってみたい。



ファン友が、主催のSHINYAさんに声をかけに行くというので、くっついていく。


忙しそうにあっちこっち走り回ってたよね。


その上に、あんなに素敵なダンスを見せてくれちゃって。


お疲れ様でした、って言いたいぞ。



人の間をぬって移動するSHINYAさんを捕まえて、ファン友が話しかける。


えーと、何話せばいいんだ?!


私人見知りするんだった……どうしよ。


「さっきのダンス、すっごく素敵でした。お疲れ様でした」


「あーありがとうございます」


にこっと笑った口元から、白い歯が覗く。


いたずらっ子みたいな笑顔。


こんな顔だったのか。


「楽しんでもらえたみたいで良かったです」


「はい、とっても! 人間って綺麗なんだと思いました」


「本当?!」


「SHINYAさんみたいに踊ってみたいです。どうやったら踊れるようになりますか?」


え、私何聞いてんの?!


「ダンスレッスン受ければいいんじゃない?」


「どこで?!」


失礼だって失礼だって、こんな事聞くなんて。


「やった事あるの?」


「ないです」


「初心者か……俺クラス持ってるよ。来れば?」


「! 行ってもいいの?」


「いいよー。俺優しいよ」



SHINYAさんが教えている、ダンススタジオの名前を聞く。


他の人に挨拶をするために離れた、SHINYAさんの背中を見る。


良い人だなぁ。


いいのかな、本当に行って。


迷惑にはならないのかな。


SHINYAさんに教わって、もし大輝のバックで踊る事が出来たら。


私そのまま死んじゃってもいいかも!



甘い酒とダンスと淡い期待。


少し酔わされて、さっきよりも少しだけ大きくリズムを取る。





続く