萎れた百合が2本

咲いたばかりの百合が1本

窓際の牛乳瓶に刺さっている

僕が毎日ドアの前に置いていった花たち

窓から入る風に運ばれて

部屋中に甘い香りが充満する


昨日も会えなくて

諦めて帰ろうと

百合の花を置いたとたん

ドアががらりと開いて

涙ぐんだ君が姿を見せた

その次の瞬間に

僕は君を受け止めたまま尻餅をついた


僕の腕の中で

顔を真っ赤にしながら

嗚咽を上げる君

戸惑いながら

僕は黙って君の背中をさすっていた

親が子供を安心させるように


全部僕が受け止めるよ

今みたいにね

君を悲しくさせる事

辛くさせる事

心細くさせる事

惑わせる事

全てを二人で二つに分けあっていこう

そうして空いた心の空間は

嬉しい事と楽しい事で埋めていこう

そうすればきっと

二人で一人前になれる

だから何でも話して

僕にぶつけて

どんな事でも

必ず受け止めるから


泣き腫らした目で僕の目をじっと見ながら

君は何も言わず頷いた


甘い香りの風が通り抜ける中

まどろむ君

涙の余韻が残る瞼

繋いだままの手

強い日差しに反射する白百合

やっぱり君に似合う


……僕は君に

何をしてあげられるのだろう



『受け止める半身』