僕たちは手を繋いだまま

何も話さずに

手から伝わるお互いの体温だけを感じていた


未練がましい太陽が

海に沈んだ後も紫色の帯を残して

その中で

慌てモノの星が輝きを強めていく

やがて無数に散らばる星たちが現れ

空で神話を語り始める


君の瞳が

星の光を受けて輝きを増す

「あの星はアルタイル

その向かいにあるのがベガ

織姫と彦星を結ぶデネブ

……天の川がこんなに近い

こんなにたくさんの星を見たのは初めて」


熱っぽく話す君の横顔に見とれて

君の声が音楽に聞こえた

足元から響く波の音

遠くから聞こえてくる三線

夜空いっぱいの星

この世に余計なものなんてないんだ


今この瞬間の全てが

僕を神聖な気持ちにする

胸が痛くなるほどの

幸福感

それを君に伝えたくて

そっと手を引き寄せ

驚かせないように抱きしめた


指先よりも温かい体

穏やかな息遣い

胸の鼓動を感じて

僕はちょっとだけ

抱きしめた腕に力を込める

僕の鼓動も君に伝えたい


腕の中の確かな温もり

星に祈りを捧げよう

この瞬間が

いつまでも続きますように


幸福に震える心のまま

誓いのキスをした

星に見守られながら


そうして

君はゆっくりと体の力を抜いて

僕の胸に顔を埋めた


『星空』