アンケートなどを見ていると

時々現代の芝居を、とか

ファンタジーを

などと言われることがある。

 

創らないわけではない。

最近では「操っているのは誰だ?」という作品がある。

でも、と思う。

私たちの人形は、

その構造から着物が合うのだ。

足の付け方が、少しガニ股になるようになっている。

だからズボン姿にすっとした格好良さが無いのだ。

 

ファンタジーにしても私たちの人形に似合わないと思ってしまう。

それは手板の持ち方にかかわってくる。

人形のコントローラー(手板)を

上から掴むか、

下から支えるように持つかで

人形の性格が違ってくるのだ。

上から掴む遣い方はファンタジーに合い、

下から支える遣い方は、物語性に合うと思っている。

ここにはいつも一般の方がご覧になれるものを紹介しておりますが、

8月は残念ながら紹介できるものがありません。

9月を乞うご期待!!

獅子舞の遣い始め、

激しく嚙んでいると

ブチッと切れた。

確かに消耗の激しいところだけれども、

と、見ると

黑糸ではなく、それを結びつけるタコ糸が

途中で切れていた。

音は流れている。

さてどうするかは、瞬時に判断しなければならない。

カシラを振ると、このままでも音は出る、

でも常にダラッと口を開けたままである。

観客は、糸が切れたらしいと思っているだろう。

ならば、と

音を停め

かみさんを呼んで手板を持ってもらい

観客の見ている前で応急修理を始める。

と言ってもどうするのがベストかは、全く分かっていない。

落ちた糸を拾いながら、あれこれ考える。

ヨビ糸は縒りがかけられてある。

そこに結び付けても滑り落ちることはないだろう。

糸の長さを玉を作りながら調節する。

何とか演じられそうだ。

観客にお詫びして、途中から始める。

持ち時間を数分オーバーしたが、

無事終了。

 

修業時代、人形にトラブルが起きたらすぐに

幕を閉めていた。

でもそれでは観客は満足しないだろう。

そう思うようになったのは大道芸で

幾つもトラブルを経験したからだ。

中国で見た雑技の芸では、

失敗したら成功するまで何度でも挑戦していた。

素早く修理するのも芸のうち

と、思うようになっている。

もちろん、無理な時もあるのだが。