もう、イヤ。
1ヵ月程前の話です。
「ちょっと、文書書くの手伝いなさい」
「なんの?」
「これ」
と、母が指を指したのは大好評50周年記念プレゼント第2弾と銘打った
インテリア雑誌でした。
抽選で選ばれた一握りのラッキーな人々に素敵なインテリア製品が贈られると
いう内容でした。
お洒落な棚やアーティスティックな椅子、可愛いティーカップと目移りしてしまう
ような品揃えです。
ただ、その中であえて母が選んだものは・・・・・
ものゴッツイスウェーデン製の食器洗い機。
「食器洗い機使うほど、おかずの数多くないじゃん!」
思わず、口にしてしまった本音さえも聞き入れられず、文章書きを手伝う事に。
以下は母、原案による文章です。
『毎号、楽しく読ませていただいております
(↑嘘だ!騙されるな!たまたま今回買っただけだ!)
将来、息子が家を建てる際、ぜひ参考にしたいと思っております
(↑何年先だ!明日よりも今晩のおかずを増やせ!)』
という、ごくごく短いものでした。
まぁ、これで母の気が済むなら良しとしましょう。
大人な私です。
そして俳句のように短い文章を書き終えた後、何気なく母に、
「・・・・・で、締め切りいつなの?」と、聞いてみると。
「今日、出さないと間に合わない」
「えっ!?今日、土曜日じゃん、もう郵便局閉まってるよ」
「大丈夫、新宿なら七時まで開いてるから」
「・・・・・」
当たりもしない応募ハガキをわざわざ地下鉄に乗って新宿まで出しに行く母親・・・・・・・・
その、情熱の一割でも息子への愛へ変えられぬものだろうか・・・・・。
思わず、涙が出そうになりましたが下唇を噛み、母を見送りました。
でも、食器洗い機当たりました(本当に)
当選結果を見て、悔しさのあまり
新たな「振り込め詐欺」の手口だと言張る私に母は、
ニタァ~と笑い。
「物事最後まで、あきらめちゃ駄目よ」だ、そうです・・・・・もう、イヤ。
結びに:夕飯のおかずもあきらめないで欲しい。