プラトンの国家を読んでしばらく時間が空きましたが、

アリストテレスの政治学を読みました。

 

 

 

 

光文社古典新訳文庫からちょうど新刊として出版されたばかりです。
理解できたのは半分ぐらいかな?でも、訳が良いせいか、すごい面白く
読めました。

 

プラトンの国家では妻や子供は共有制にするべきだとか、兵士は

私的な物は持つべきでない・・など現代社会だと首をかしげるような

事も書いてあるんですが。

 

アリストテレスは妻、子供の共有制など否定していて・・現代社会の

自分達から見ても分かりやすいですよね。

 

圧巻なのは国制の種類を明確にして、それらについてどう維持していけば

いいのか、あるいは破綻の理由など色々と深く考察しているところです。

まず国制の種類についてですが、公共善か私利を追求するかで区別して、

さらに権力を持つ人数で体制を区分してるのがアリストテレスのやり方です。

 

権力者1人 王制(独裁制)

権力者小人数 貴族制(寡頭制)

権力者多人数 共和制(民主制)

 

これら1つ1つの体制について考察しているのですが、途中から読んでて

日本書記、古事記などの天皇の政治などどうなのかな?・・などと

思ってしまいました。

 

その中で面白いと思ったのが、アリストテレスが単独者支配性の存続を

長くさせたいなら、王の権限の範囲を小さくすればするほど長く存続

出来るような事を主張している事です。(政治学(下)P.128)

 

日本書記など天皇中心に書かれてますが、実際は聖徳太子の時代は

曽我氏、平安時代は藤原氏、さらに武家政権が出てきて、源氏、足利、

そして江戸時代から徳川幕府で安定政権を築いて、実際の政治は天皇では
なく他の所で動かしてきたんですよね。

 

古代ギリシャの話が日本の歴史にも当てはまる?こんな点も想像しながら、

面白く読んだ次第です。その他、今なら独裁制と民主主義で政治体制を

考えてしまいますが、貴族制など少人数での統治がある事なども、今回知って

興味深いです。政治思想の本!なかなか面白い感じなんで・・次は
マキャベッリの君子論を読みたいと思います。