さてそろそろ時は夕方に差し掛かり

目的のサーフに到着する。


それにしても、本日が寒くなくてよかった。


砂浜に裸足にサンダルで向かう自分にそう思う。

先ほど海水でぐっしょり濡れた靴と靴下を脱いだのだ。

この時期にはあるまじき姿である。

まぁ、それはそれとして。

いつもよりもクリアな視界の海に向かい合う。

水平線の向こうには開聞岳がそびえ立つ。

いやはや、知らなかった。

暗闇の向こう側にこんな風景があったとは。

ダイの小説風釣行記-頴娃サーフからの開聞岳


さて早速ルアーを投げ入れてる音がする。

本日は師匠もクリアに見える。


ほうほうほう。


投げる度にシャクリ方やリズムを変えておられる師匠。


なるほどなるほど。


やはり見て学ぶのは大事なことだ。

いつもは縦シャクリしかしていなかったが

左や右への横シャクリにもチャレンジするも

カタカタと右手と左手のリズムが合わない。

縦で出来ることが、何故横にするだけで出来ないのか。

全く理屈は分からないが。

出来ないのならば練習あるのみである。

次第に青い空が紅く染まっていく。


ダイの小説風釣行記-夕暮れ前


そうなれば早いもので。

あっという間に陽が落ちて

暗い夜が押し寄せる。


ダイの小説風釣行記-夕暮れ後


しかし、本日は満月。

月明かりが波間に反射してキレイに輝く。

仄かに明るさを伴った暗さは釣りには最適である。

ここまで全くのノーバイト。

つまりアタリもなにもない。

しかしこれだけ釣り続ければ

横シャクリも様になってくるというもの。

ノリノリで本日流れるミュージックは

大野さんのソロ曲「Hit the floor」

彼の声が満月の夜の海に溶け込むように流れてくる。

まぁ、脳内の話であるが。


ダイの小説風釣行記-月明かり


しかしながら、全くの反応なし。

さて何時間経過したことか。

「止めようか」

師匠も全くのノーバイト。

残念無念で夜の砂浜を後にした。


しかしである。

「ちょっとだけ花渡川行ってみようか?」

次のポイントにどうやら移動するらしい。

さほど近くはないポイントに到着すれば

かなり潮の引いた川が現れる。

水が引き、露わになった川底を歩いて深いポイントを探ってキャストする。

当たり前だが浅場が多い。

戻ってきたルアーは落葉拾いをするばかり。

いやはや、本当に釣れるポイントなのだろうか?

疑問を持ちつつ落ち葉を拾っていた。


バシャバシャバシャ


急に起こった水音に周りをみれば

いつの間にやら他の釣り人の姿有。

しかも、もう何かを釣り上げている。


バシャバシャバシャ


反対側でも音がする。

こちらにも釣り人が何かをあげている模様。


なんてこと。

釣れるのだ。


釣れないと決めつけていたズブの素人。


正に、百聞は一見に如かず。


ようやく本腰を入れてシャクリ始めた。

手前に寄せるにつれて


ガン


突如きた大きな手応え

「わ!」

慌てて合わせるも空振りに終わる。


残念無念。


隣ではバシャバシャと川面を賑わせて

師匠がキビレをあげていた。

なんともはや羨ましい限りである。


ダイの小説風釣行記-キビレ


さてはて何度かアタリを感じたものの

結局釣れずに終わった本日の釣行。

釣れはせずとも経験値だけは培われたはずである。


百聞は一見に如かず。


大事な言葉を覚えたからには

今まで以上に師匠に纏わりついて

精進して参りたいものである。