指導者をしていて常に考えること。

 

本当の子どもの成長とは何か。

自分は子どもとどのように関わり、どのように成長してほしいのか。

 

子どものスポーツ指導や何かの先生をしている人は何度か考えたことのある内容だと思う。

人それぞれ考え方は違うし、その人の中でも常に新しく更新されていくもの。

常に自分の中でもアップデートされていく。

 

体操の先生をやっていて、体の動きを教える。できない技をできるようにする。

これは先生として当たり前の役目。

技のポイントを教え、綺麗な見本を見せて、安全な補助をして技を完成に近づけていく。

 

先日の練習では空中逆上がりが初めてできた子が何人かいた。

目をまん丸くして驚いていたり、普段無表情な子が笑顔で喜んでいたり、

自分ごとのようにすごく嬉しい気持ちになった。

 

が、指導帰りの電車で振り返りをしながら自分の中でモヤモヤした感情があった。

『何かしっくりこないな・・・。』

何がしっくりこないかは明確にわからない。

子どもの「初めて出来た!」を心から喜んでいたし、自分にとってもすごく嬉しいことだった。

このままでは寝られないと、モヤモヤの正体についてじっくりと考えてみた。

 

できない技を出来るように練習をする。

自分の指導はその子にとって技ができるまでの最短経路をただ教えているだけ。

それは答えを見ながら入試問題を解いているようなもの。

公式の意味を知り、適切に公式を使う。なぜの部分を考えなければならない。

言われたことをしているだけでは子どもの”考える力”を育てられていない。

 

人間的な成長が出来るような指導ができていなかった。

その部分について納得がいっていなかったと理解した。

 

何かしら出来ない事柄に直面した時、挑戦し失敗し試行錯誤を繰り返し、自分にとっての正解を見つけていく。

体操に限らず、勉強や仕事に対しても。

それを教えてこそ先生なのではないかと思った。

子ども一人ひとりが技術的にも人間的にも成長できる。そんな指導を心がけていきたい。