テーマ:格闘技
金原弘光プロデュース興行「U-SPIRITS again」開催まで1ヶ月を切った。
私のような40代も半ばを過ぎた世代にとっては、
なかなか興味深いカードが並んだと言える。
テーマは、はっきりしている。
パンクラス VS U.W.F.インターナショナル
パンクラス VS リングス
80年代後半の新生UWF(第2次UWF)の大ブームから90年10月の解散を経て、
3派に分裂した「U」の魂(SPIRITS)。
その後の栄枯盛衰は周知の通りだが、
逸早く「プロレス」から「総合格闘技」への一歩を踏み出したのがパンクラスだった。
当時、「先鋭的」と評されたルールと試合スタイルも、
今では「レトロ」となってしまったのは仕方ないことだが、
パンクラスが踏み出した一歩が、後に道を作ったことも、また確かだ。
その源流を辿ると、ややこしくなるので「UWF」だけに留めるが、
「純プロレス」とも「総合格闘技」とも違う独自のルールは
やはり、歴史の中の大きな1頁だったと思う。
そこで本大会だ。
「U-SPIRITS オフィシャルルール」という独自のルールで開催されるが、
主催者である金原弘光自身は「総合格闘技の引退試合」と明言している。
ということは、この大会は「総合格闘技ルール」なのか。
確かに、総合格闘技しか経験していない菊野克紀が出場しているし、
出場選手も、「腕に覚えがある」人ばかりだ。
でも、誰とは書かないが、彼が「総合格闘技ルール」で試合するだろうか。
少なくとも「今」は、ちょっと考え難い状況だ。
では、「プロレスルール」との混在なのか。
まぁ、いいだろう。
そういう「曖昧さ」も、プロレス・格闘技の楽しみ方だと、私は考えている。
勝負論を超えた「魂のぶつかり合い」にこそ、「格闘技」の醍醐味だし、
大会名にもある「Uの魂」ではないかと思うからだ。
私が注目しているのは、やはりごつごつと音が聞こえてきそうな試合。
メインの金原 VS 近藤有己、そして高橋義生 VS 山本喧一、である。
両カードとも、テーマとなる「パンクラス VS Uインター」であり、
「パンクラス VS リングス」でもある、まさに「因縁の試合」だ。
何年か前では考えられないことが実現するのも、この世界の面白さと言えよう。
さらに、鈴木みのる VS ハンス・ナイマンというカードも異色過ぎる。
正直、プロレスラーとしてまだまだバリバリのみのるに対し、
この10年間、試合をしたとの情報が全くないナイマン。
普通に考えれば、みのるの圧勝だが、当時を知る人ならお分かりの通り、
「ルールなんか関係ない」のが、リングスオランダ勢の考え方であり、
その象徴みたいな存在が“裏番”と呼ばれたナイマンなのだ。
あるサイトでは、「今のナイマンなんて」と小ばかにしていたが、
技術も体力も衰えているからこそ、カーッとなったら何をしてくるか分からないのだ。
はっきり言って、いつ一線を超えてもおかしくないほど、
危険な試合になるかもしれないことを知っておくべきだ。
みのるは、よくこの試合を受けたなと思う。
いずれにせよ、桜庭和志が新日本プロレスに軸足を移しつつある中、
いわゆる「“U”3派」草創期に活躍し、今なお「総合ルール」で戦う
数少ない現役格闘家の金原と近藤の試合だ。
まだチケットは残っているようだし、昭和プロレス、UWFを好きな人、
そして、過去の歴史を知る者ほど見逃して欲しくないと思う次第だ。
過去記事
↓
■「UWF」という幻想 ~前田日明が求めた「最強」
http://ameblo.jp/daiaryofamadman/entry-11369293868.html
■旧UWF30年越しの清算 ~佐山、前田、藤原が 「ダー!」をした日
http://ameblo.jp/daiaryofamadman/entry-11369296348.html
■前田日明がパンクラスの会場に!? ~あとは高田延彦との2ショットが見たい
http://ameblo.jp/daiaryofamadman/entry-11369390759.html