アン・グレイシーのメリデュー・シスターズ(勝手に言ってます)の2作目
1作目で長女プルーデンスと次女チャリティが無事生涯の伴侶を見つけてから
残る双子のホープとフェイス、五女のグレイスは、2人の姉夫妻のもとに滞在したりしながら
ロンドン滞在時はやはりオズワルドの保護下に置かれているようで
今回はそれから2年後、双子の片方ホープのお話です
実はこれもヒロインにではないのですが、ヒーローの妹たちに秘密というか
最後のほうまで明かされない過去がありまして、それを伝えないようにするつもりですが
やはりアン・グレイシーが大好きな方は、読まないことをお勧めします
1818年 3月 イングランド マンチェスター
Sebastian Reyne(セバスチャン・レイン?)は、出先から戻った時
石作りの屋敷の傾斜の険しい屋根の上にいる妹のキャシーの姿を見つけ、青ざめる
いったい何事かと寿命が縮む思いで声をかける彼は、家庭教師とのいざこざだとわかり
家庭教師を一旦下がらせ無事キャシーを部屋に戻したあと
家庭教師のミス・スリングストーンが大嫌いだと訴えるキャシーが
かんしゃく持ちとは言え、そうなるのは何か理由があってのことと最近ではわかってきていたので
事の次第を双方から聞き出し、その結果家庭教師がキャシーの妹ドリーを罰するために殴ったと知り
即座に首を言い渡すが、金の力では手におえない2人をレディになどできないと言われる
この4ヶ月間で7人目となる妹たちの家庭教師は、自分から辞めると言い返し
無作法でしつけがなっていないし、ドリーには盗癖まであると非難し
自分の家の台所から食べ物をとっても盗みとは言わないと弁明するセバスチャンにも
2人のことを気にかけていないと責める
怒りを抑えて反論するセバスチャンは、妹たちは時が来たらふさわしいレディになると宣言する
長い間行方不明だった妹 Cassandra(カサンドラ、キャシー)とEudora(ユードラ、ドリー)
ほんの4ヶ月前痩せこけた浮浪児のような2人と再会した時
無関心な態度か敵意しかみせないキャシーと、口が聞けず震えるばかりの妹のドリーを見た彼は
妹たちがどんな暮らしをしてきたか想像するのも恐ろしく
二度と再び暴力にさらされたり、苦しめないと心に誓っていたが
キャシーから何も聞き出すことはできないまま、さらに近づく度にひるまれることに傷ついてもいた
家庭教師をこれ以上雇っても無駄だとわかったセバスチャンは、妹を探すのに役立ってくれた
エイジェントのモートン・ブラックに、ロンドンへ行って自分の花嫁候補を探すよう指示する
その条件は、女性であれば外見は問題ではないこと、特に望むのは社交界に通じているレディというもので
主人の出した条件に戸惑いながらもすぐにロンドンにブラックが向うと
ロンドンにいる古くからの友人 Giles Bemerton(ジャイルズ・ビマートン??)に手紙を書く
セバスチャンにはまったく未知のものといえる、求愛やダンス、マナーなどについて
機転の利く彼の助けを必要としているというものだった
セバスチャンにとって2度目の結婚となるが、今回のことは妹たちのためのもので
あくまで自分の果たすべき役目と考えていた
4月 ロンドン
ジャイルズのロンドンの屋敷で、ブラックが花嫁候補として報告してきた
Lady Elinore Whitelaw (レディ・エリノア・ホワイトロウ?)について話すセバスチャン
胸がぺたんこの女性と結婚などできない!と男同士の本音を語るジャイルズに
孤児の少女達のために人生を捧げているようなレディ・エリノアにすでに会っているセバスチャンは
6歳年上であっても彼女こそ今の自分が必要としている妻だとすでに心を決めていた
セバスチャンの亡くなった妻と、その父親を知るジャイルズは親友がどんな思いをしてきたかも知っていて
愛についてシビアな考えになってしまったことも、すべてその2人のせいだと非難するが
彼らがいたから今の自分があるのだと、友人の非難をかわし
ロンドン社交界に足を踏み入れる協力を頼み、ジャイルズはそれは見ものだとおもしろがる
それから10日以上経ったある舞踏会で、もっとゆっくり進めるべきだというジャイルズの意見を聞かず
まっすぐレディ・エリノアのもとに向うセバスチャンは、一刻も早く結婚を決めてしまいたい思いで
ジャイルズに言わせれば褒めるところなどないレディ・エリノアに賞賛の言葉をかける
小柄で青白い顔、きっちりまとめたねずみ色の髪の上に小さなキャップを載せ、グレイのドレスと
宝石などひとつも身に着けない彼女はお世辞にも魅力的とはいえなかったが
彼女が以前自分に会っているのに覚えていなかったことに憤慨したジャイルズは
セバスチャンがすぐにでもプロポーズしようとしているのを察し、その場は引き止めることに成功する
友人のアドバイスを聞いて、最初のダンスのあとは夕食の時までレディ・エリノアと接する機会がなくなり
舞踏会場を落ち付きなくさまようセバスチャンにとって、求愛行為などまどろっこしい思いで
華やかな装いの美しい人々の中で、自分の左手の2本の奇形した指を見下ろし
世の中を知らない彼らと自分は、まったく別世界の人間だと考えていた
ジャイルズに手袋で隠すように言われても、自分を飾るつもりのないセバスチャンは
ありのままの自分を恥じることなく、目的を達成したらすぐにもとの生活に戻るつもりでいた
だが何気なく舞踏会場に視線をさまよわせていた時、ふいに一人の女性に視線が釘付けになり
思わずジャイルズの腕をつかむと、あれは誰だ?と尋ねていた
やっと親友が正気を取り戻して、魅力あるレディに気づいてくれたかと安堵するジャイルズから
どっちだ?と聞かれ、一人の女性しか目に入ってなかったセバスチャンは信じられない思いだった
ゆるやかにカールした髪は、黄色でもなく亜麻色でもない金色で
その肌は光り輝き、部屋のこちら側からでははっきりわからなかったが、青い瞳だと確信し
その顔は言葉で表せないくらい、今まで出会ったこともない天使のような美しい女性が
生きる喜びを体中から発しているかのようにダンスに興じる姿に魅せられるセバスチャン
元気一杯のダンスの相手は60代を過ぎているような年配の紳士で
彼女のような女性とどうして親しげに踊ることができるのだとあれこれ考えながら
自分の世界とはまったく違う社交界の花から目が離せないセバスチャンは
ロンドンに来た目的が妹たちをしっかり導いてくれる立派なレディを妻に迎えるためで
幸せそうで喜びの塊のようなその女性が自分に合うはずはないとわかっていても見つめずにはいられなかった
その女性がパートナーに笑いかけるのを見て、つられて微笑んでいることに気づき自分のおろかさを知る彼は
ジャイルズからこの舞踏会で目立つのは"Virtue Twins"と呼ばれる双子のどちらかだと言われるが
自分の迷いを打ち消すように首をふり、ただの好奇心だと言い分けして
ここにいるのはあくまでレディ・エリノアのためだと無関心を装う
そんなセバスチャンにかまわず、双子がホープとフェイスという名前であることや
彼女達のそばにいるのが大おじのサー・オズワルド・メリデューで
一緒にいるレディ・オーガスタに御執心だがこの2年間軽くあしらわれていると教えるジャイルズ
友人の話をうわの空で聞いていたセバスチャンも、双子と言われて初めてもう一人の存在に気がつくが
そちらは光り輝いてもおらず、まったく違うことを知る
同じブルーのドレスでも微妙に色合いの違うものを着ていたため、色で見分けようとするジャイルズに
仕事柄染色には詳しく違いに十分気づいているセバスチャンは、青は青だと無知なふりをして
ただただ小柄な若々しい体を包む繊細な空色のシルクのドレスが躍る度まとわりつく様に見とれて
胸は高鳴り、のどは締め付けられる思いだった
やがてその女性がホープだとわかり、ノーフォークのメリデュー家の5人姉妹は
名前にそれぞれプルーデンス(分別)チャリティ(慈愛)ホープ(希望)フェイス(信頼)グレイス(慈悲)と
つけられていたため、Virtue Sisters(美徳姉妹??)と呼ばれていること
長女のプルーデンスは、キャラダイス卿と結婚しレディ・キャラダイスとなり
次女のチャリティは、ディンスタブル公爵夫人となったこと
五女のグレイスはまだ学生で、未婚の姉妹はロンドン滞在時大おじの屋敷にいることなど教えられ
双子に紹介するとジャイルズに言われるが、ただ興味を持っただけだと断る
2人は社交界によくいるタイプとは違って、自分の意見を持っていると粘るジャイルズに
若い男性から年配の紳士まで、誰もが誉めそやすような女性に関心はないと言い捨て
友人の驚いた表情に気づきながらも、ホープこそ自分が求めてはいけない女性だとわかっていたため
ショックから立ち直ったジャイルズに引き止められた時、自分は大人の妻を捜しに来たのであって
甘やかされたお嬢さんになど関心はないと、辛らつに言い返してしまう
社交界に突然現れたことでもゴシップの対象になるから言葉に気をつけるようにと忠告するジャイルズが
ダンスの約束をしていたレディ・エリノアが一人でぽつんとたたずむ部屋の向こうへ歩み去ると
セバスチャンはレディ・エリノアとのダンスの約束まで時間を持て余す間
つい視線が空色のガウンを探していることに苛立ち、表情をこわばらせていく
一方ダンスを楽しみながらも、一人の男性の熱心な視線に気づいていたホープは
オズワルドがレディ・オーガスタに専念したいため、姉妹のお目付け役に雇った
ミセス・ジェナーにあの紳士は誰?と尋ねていた
祖父のように背が高くがっしりした体型の男性に、不快な思い出を呼び覚まされ
エレガントでやさしいタイプが好みと思っていたのに、その男性が気になることに驚いてもいたが
不思議なことに体が震えるのは恐怖からではないと気づいていた
ロンドンに来てから双子であることも目立って、人々の視線に慣れていたはずが
正体不明の男性の視線が、どこか違うことに気づいていた
社交界では典型的な伊達男のジャイルズ・ビマートンを知るホープは
2人が陽と陰くらいに対照的で、外見もエレガントでスマートなジャイルズとは正反対の
体も大きな謎の紳士が気になり、もう一度ミセス・ジェナーに何者かと尋ね
肩幅の広さから労働者のようだと不快そうな答えを聞いた時
自分を見つめる鋭い視線をまともに受け止め、体におののきを感じる
彼の視線に飢えとも思える激しいものを見たホープは、そばに駆け寄り触れたくなり
この人こそ夢に見た自分の相手かと考えるが
祖父を思い出す体の大きな紳士にそんな反応をしたことに、運命の皮肉も感じていた
彼を見つめ返すホープの態度をたしなめるミセス・ジェナーに、フェイスと一緒に庭に連れ出されるが
檻に閉じ込められた虎を連想させる彼が、ジャイルズと同じくらいの年だと気づいたホープは
どうしても彼のことが知りたくなり、渋るミセス・ジェナーから数少ない情報を引き出す
成り上がり者で、ホープや社交界のレディが相手にするような紳士ではなく
名前だけは知っていると言うミセス・ジェナーも
突然どこからともなく現れたとそれ以上の情報は知らないと答える
セバスチャン・レインを醜いと言うミセス・ジェナーに反論するホープ
そばで聞いていたフェイスは、ホープは彼に興味などないとミセス・ジェナーをなだめ
セバスチャンに歳を取らせたら祖父のようになるから、問題外だと安心させる
フェイスの言うとおりだと認めるホープだったが、セバスチャンに自分が気づいていることを示すと
彼が背を向けたのを見て、浮ついた男性ではないとわかり内心喜んでいた
噂では彼が妻を捜しているようだと言うミセス・ジェナーが、相手に同情すると言ったため理由を知りたかったが
他の紳士にダンスを申し込まれそれ以上話を聞けず、パートナーと踊りだしたホープは
サパー・ダンスになった時、彼のパートナーがレディ・エリノアだと知り驚く
浅黒く威圧的な物腰で、体格が良く男らしいセバスチャンと
小柄で青白くいかにもか弱そうな、適齢期を過ぎたレディ・エリノアの取り合わせの不思議や
何故セバスチャンの妻になる相手は同情されるのか?など彼のことばかり気になり気分がふさいでしまう
ラスト・ワルツの時間になり、一番楽しみにしていたことだけは台無しにされたくないと
舞踏会場には他の紳士もいるのだからと頭を切り替える
数年前のある夜、双子は同時に同じような夢を見てそれぞれ夢の男性がいつか現れると信じていて
そのため初めてのシーズンからホープは最後のワルツだけは、誰とも約束しないようにしていて
夢の男性を待ち続けていたが、いまだこれはと思う相手に巡り会っていなかった
そのときジャイルズが友人を紹介させて欲しいと声をかけ、振り向くとセバスチャンがいて
ホープは彼のむさぼるような視線に絡みとられる
すぐさまミセス・ジェナーの妨害に合うが、ジャイルズの機転で2人きりになると
間近で見るといっそう大きく見えるセバスチャンから深く響くようなやさしい声でワルツを申し込まれ
差し出された手をとったホープは、まわりで彼女と踊るチャンスをうかがっていた紳士たちを落胆させる
ホープをワルツに誘ったものの、ダンスを教わったフランス人人やジャイルズ相手とは
まったく違うことにすぐに気づかされたセバスチャン
華奢な手を差し出されたとたん頭が真っ白になり、それでも自分の醜い手の中にしっかりこ包み込み
ひとたびホープに触れた瞬間、リズムのワン・ツー・スリーが頭から飛んでしまい
音楽はすでに始まっているのに、岩のように立ち尽くすセバスチャンは自分を必死で取り戻そうとする
なんとか踊りだしたものの、自分の中の原始の本能をかきたてられ
それまで衝動のまま行動したことなどなかったが、何もかも忘れそうになるほどホープを求めていた
セバスチャンのあごの下から、ダンスをする間おしゃべりするものでは?とうながすホープ
相手が拷問のように感じているとは思いもせず、質問しても短い答しか返ってこなかったが
彼の腕の中でワルツを踊ることにうっとり酔いしれていた
別のカップルにぶつかりそうになった時、セバスチャンに抱き寄せられ大丈夫か?と聞かれると
赤く頬を染めながらも、縮まった距離を元に戻そうとはせず心配ないと答え
逆に体でかばってくれたセバスチャンを気遣うと、驚いた表情をされる
セバスチャンはホープが震えているのは予期せぬ出来事で動揺したせいだと考えるが
それを口にすると一笑に付され、そんな柔じゃない私たちのワルツを楽しみたいと言われる
頭の中でワン・ツー・ツリーとカウントしながら、踊り続けるセバスチャンは
これが最初で最後のワルツで、他の女性とは決して踊るまいと心に決めていた
リズムをとるセバスチャンを、えくぼを浮かべて見あげるホープは彼が不慣れなことに気づいていて
もともと自分は不器用で、ダンスも最近マスターしたばかりだと励ます
ホープが不器用などとは想像もできず、ダンスをするために生まれてきたようだと思っているセバスチャンは
ホープに微笑みかけられると公の場にも関わらず欲望が抑え切れなくなり
そんな自分の動揺を隠すため、思わずあなたは双子のうちのどちらか?と尋ねてしまい
十代の少年のようにぎこちなくなってしまう自分のおろかさを内心ののしっていた
普段から双子を見分けているふりをする人が多い中、彼の率直さが気に入ったホープ
彼の口調にかすかな訛りを感じ取り、初めの印象とは違って威圧されることもないと知る
もっと彼のことを知りたくてあれこれ質問するが、結局答えは引き出せずワルツが終わってしまう
一刻も早くセバスチャンから引き離そうとするミセス・ジェナーの露骨な態度に
お辞儀をして、もう一度しっかり刻み付けるような視線をむけたあとジャイルズと去っていくセバスチャン
そんな彼が自分と距離を置きたがっているのを何度か感じたホープは理由がわからず思い悩んでいたが
翌週の音楽会に招待されたことをいつになくはしゃいで教えるフェイスが
ハンガリー人のバイオリニストに会えるのを楽しみにしていることを知ったり
オズワルドと一緒にいたレディ・オーガスタ(ガッシー)に合流したホープは
セバスチャンを気に入ったと言うレディ・ガッシーと大おじとの関係が親密なものであると確信したり
その間も、レディ・エリノアに再びダンスを申し込むセバスチャンを見つけて顔を曇らせる
ホープの視線を感じながら、自分の務めを果たすことと言い聞かせるセバスチャン
家族や友人達と一緒の姿を見て、住む世界が違うことをいっそう確信しジャイルズを促して帰ることに
ホープに関心があることを知ったジャイルズは、レディ・エリノアにこだわるセバスチャンに
ホープこそセバスチャンの求める女性だと、見かけとは違って厳しい経験をしてきたのだと説得するが
姉妹の過去を知らないセバスチャンは、飢えや虐待、労働の辛さなど知らないはずと聞く耳をもたず
4ヶ月前取り戻した妹たちへの償いのためにも、レディ・エリノアと喜んで結婚するつもりだった
ゴシップを仕入れてきたミセス・ジェナーから、セバスチャンはふさわしくないと言われたホープ
セバスチャンと同じマンチェスターの紳士から聞いたと
彼が卑しい身分の出身であること、過去に商人の娘を騙して結婚し
花嫁より年下だった彼の狙いは、裕福な妻の父親の財産だったというものなど
自分たちの母方の祖父も商人だったと反発するが、セバスチャンの外見から粗暴さを強調され
妻も義父も死んでいることから、彼が殺したのかもしれないと言われ
根拠もなく非難をするミセス・ジェナーに憤慨するホープだったが
彼が製粉場や工場、鉱山、船会社など多角的に手がけている裕福な紳士だということも知る
その夜セバスチャンのことを考えて寝付かれないホープ
双子のフェイスとの強い絆やオズワルドから娘のようにかわいがられていても
何より望むのは夢の男性に愛されることで、その日のことを振り返って
セバスチャンの不可解な態度にもかかわらず、彼が自分に関心があることは確信できたが
祖父と同じような体格ということも不安で、傷つけられるのでは?とあれこれ思い悩む
翌日の早朝、人のいない時間を選んでハイド・パークで馬を疾走させるホープ
昔から曲芸乗りに憧れていたため、疾走する馬から地面の小枝を取る挑戦をしていた時
同じように眠れない夜を過ごしハイド・パークにやって来たセバスチャンにそれを見られてしまう
危険な行為をしているのがホープだと知った彼がかんかんに怒り
何度もやっていることと、わざともう一度やってみせるホープに怒りと恐怖を同時に覚え
やめさせるため彼女を自分の馬にすくい上げたことから、成り行きでキスを交わしてしまうが
ホープに惹かれれば惹かれるほど、自分の務めを思い出して寄せ付けまいとするセバスチャン
一緒に過ごせば過ごすほど、どんどん惹かれていくホープは
何故平民出身なのに乗馬ができるのか?と、彼に対する疑問は増えるばかりだった
その夜、ジャイルズに誘われて音楽会へやって来たセバスチャン
ホープへの思いを抑えるには彼女を避けるしかなく、来ないと聞いて承諾したのに
ホストに案内された席で戸惑っていた彼は、気がつけばホープに声をかけられていた
音楽好きだというフェイスを紹介されたり、オズワルドやレディ・オーガスタにも挨拶していて
結局コンサートが始まった時にはホープの隣りに座ることになる
ハンガリー人のバイオリニスト Count Felix Vladimir Rimavska(伯爵?)が演奏を始めると
レディたちの目や耳を釘付けにする彼の演奏の素晴らしさは認めても、一目で不快感を覚え
一見立派に見える服装も、その道に詳しいセバスチャンにはジャケットが質の悪いものだとわかる
誰もが演奏に聞き入る中、おおげさなパフォーマンスを見ていられずホープに視線を移したことから
たちまち欲望をかきたてられたセバスチャンは、必死の思いで自分の靴に視線をとどめる
セバスチャンが音楽会などに来るとは思っていなかったホープも予期せぬことに喜びながら
レディ・エリノアの姿も見つけ、彼女との関係がよくわからずあれこれ想像をめぐらせていたが
バイオリニストに周りの誰もがうっとり見入っている様子を見て、信じられない思いで
おおげさで下品とも思えるバイオリニストに、フェイスまでもが魅了されていることに驚いていた
隣りに座るセバスチャンが一心に靴を見つめていることも、わけがわからなかったが
演奏が終わると婦人たちが一斉に伯爵を取り囲みちやほやするのを見ていたセバスチャンの態度から
自分と同じ意見なのだとわかり声をかけようとした時、興奮気味のフェイスに伯爵のもとへ連れて行かれる
バイオリニストの伯爵がレディたちにかまわれているのを間近で見たホープは
彼の作戦だと見抜きフェイスとそのことをネタに笑いあおうとして振り向くとフェイスの姿はなく
内気だと思っていたフェイスが自分から伯爵に声をかけているのを知り、びっくり仰天する
フェイスの信じられない行動を止めようと、ミセス・ジェナーに助けを求めるが
愚かなまねなどしていないと、他の人々と同じように伯爵に魅了されているミセス・ジェナーはとりあわず
いつものフェイスとはまったく別人のように大胆で一歩間違えれば笑いものになると焦るホープに
レディ・ガッシーはシャイなフェイスが殿方と戯れるなんてとおもしろがり
伯爵の素性を知っている大おじのオズワルドからも、好きにさせればいいと言われる
フェイスが召使いのように自ら伯爵に給仕しているのを見ていたセバスチャンは、伯爵を殴りたくなるが
そばにいるホープも魅了されていると思いこみ、腹立たしい思いでジャイルズとレディ・エリノアのもとへ向う
だがホープが気になって上の空で2人の会話を聞いていたため
伯爵を笑いのネタにするジャイルズに、むきになって伯爵を褒め称えるレディ・エリノアが
一戦を交えたことを知ったときには、すでにレディ・エリノアは歩み去っていて
もうこれ以上伯爵にまとわりつくホープたちを見ていたくないとジャイルズと帰ることにする
セバスチャンがシーズン中借りている家に戻った時、マンチェスターの屋敷の執事から手紙が届いていて
2人の妹が3日前から行方不明だと知ったセバスチャンは、背筋が凍る思いで
翌日のレディ・エリノアとの約束を思い出させたジャイルズにあとを任せると頼み、すぐにマンチェスターに向う
ほとんど休む間もなくぶっ通しで馬を走らせセバスチャンが戻った時には
モートン・ブラックがすでに屋根裏にいた2人を見つけていて、逃げ出したのではなかったと安堵する
だが2人を抱きしめようとそばによると、しり込みするのを見て傷ついたことや旅の疲れから
理由を聞いても答えないキャシーに苛立ちをぶつけてしまう
口の聞けないドリーが表情を曇らせたのを見て、すぐに口調を和らげもう一度皆が心配したことや
ロンドンでの大事な仕事をほったらかしにして飛んできたと説得すると
初めは信じなかったキャシーがやがて理由を話し始める
まずみんなを心配させたことを謝ると、妹と無言の会話を交わすように見つめあい
ドリーが誰かを見たと怖がったからだと教える
それ以上何も聞き出せず、キャシーがそのことを屋敷の誰にも打ち明けれなかったと知り
まだ自分のことをサーと敬称をつけて呼ぶキャシーに落胆したまま、部屋に戻ることを許すが
怒ったのは2人が見つかって安心したからだと説明すると
キャシーがセバスチャンに心配をかけたことを謝って出て行き、小さいながら勝利感を味わう
10日後、妹たちを連れてロンドンへ戻ったセバスチャン
2人を置いてくるわけには行かず、一刻も早く普通の生活に戻りたいと
レディ・エリノアへの求婚を早めるために、ジャイルズに戻ったことを知らせるが
ホープの様子を教える言葉には耳を貸さず、あくまでレディ・エリノアと会うと言い張る
だが2人の妹をひきあわせるためにもとハイド・パークの散歩に誘うが、断られてしまい
3人で出かけ池のアヒルに餌をあげていた時、同じく餌をやりに来たメリデュー姉妹と偶然出会い
11日ぶりに見るホープの姿に言葉を失うセバスチャンは、そこで紹介されたグレイスも美しい少女だと知る
その時妹たちが人前でどんなふるまいをするのかまったくわからないことに気づきパニックに陥るが
同じ年頃のグレイスを紹介されたキャシーが礼儀正しい挨拶をして
ホープが差し出す手を取ったのを見て、安堵のため息をつく
ロンドンなど嫌いだと思ったことをずけずけ口にするキャシーが、見るものすべてに目を輝かせていることから
実際は楽しんでいるようだと気づいたり、彼女の敵意が少しずつではあっても薄らいできたのを感じていたため
ナイフを常に身につけ、セバスチャンなしでやってきたと、ことあるごとに示されても
自分と性格が似ている14歳のキャシーのことはそれほど心配はしてなかったが
こわれてしまいそうな12歳のドリーをどう扱っていいものかわからず困っていた
それでもそばで観察するうち、家庭教師が言ったように、彼女が知恵遅れではなく
すべて会話を理解していることにも気づいていて、それなら病的な理由かと考え医者に見せようとしたが
そのたび激しい抵抗にあい、今ではあきらめていた
グレイスとすぐに仲良くなり楽しそうに一緒に餌をまく姿を見て微笑を浮かべるセバスチャン
3人の少女がフェイスに付き添われて遠ざかると、ホープから少し歩きましょうと誘われる
ホープは自分を見た時のセバスチャンの表情が嬉しくもあり怖れているようでもあったことが不思議で
なんとしても理由を聞き出そうと決意していたため、彼の妹たちの話題を向ける
だが多くを語ろうとしないセバスチャンから聞き出せたのは、一度妹たちを失ったということ
両親は死んでいたから、それが自分のせいだと言い、話す間も妹たちから目を離さない彼を見て
抱きしめ慰めたくなり彼の手に触れると、自分の手は醜いとひっこめようとするセバスチャンに
ホープは怒り、セバスチャンに触れられるとどんな気持ちがするか伝え、2人の間で緊張が高まる
その時池から水音と悲鳴が同時に聞こえ、妹たちに何かあったとすぐに駆けつけたセバスチャンは
池に落ちたキャシーを見て迷わず飛び込み救い出す
彼にキスされるところだった、それを喜んで受け入れていたと自分の大胆さに驚いていたホープが
少し遅れて駆けつけずぶぬれの2人を見た時、キャシーがナイフを身につけていることを知る
グレイスも気づいていて子供らしく疑問をそのまま口にするが、フェイスに止められる
キャシーを心配するセバスチャンは、周りの様子に気がついてないようで
妹たちを連れて立ち去ろうとしている彼に、楽しかったと声をかけたホープは
ぎこちない返事を返す彼から改まった口調でロンドンに来た目的を聞かされ衝撃を受ける
レディ・エリノアに求婚するためと知ったホープ、それまで拒絶されたことなどなく
ましてセバスチャンの態度から、お互い惹かれあっていると思っていたのでショックは大きく
それでも平静を装ってキャシーとドリーに別れの挨拶をすると
2人が明日フェイスとグレイスに誘われたというのを聞き、セバスチャンが断ることを内心祈るが
彼は承諾し、ホープはどうすることも出来ず時間を決めた後別れを告げる
無言のまま大おじの屋敷に帰る間、心配するフェイスに頭痛だといい訳するホープ
双子ということもあり、フェイスの追及をかわすため伯爵の話題を出すと
フェイスがすっかりバイオリニストに夢中なことを知り不思議に思うが
伯爵のことをよく知らない相手だと忠告すると、セバスチャンも同じだと言われ
自分のセバスチャンに対する気持ちも理解されないのだから、お互い様だと考える
ホープとセバスチャンの間に何かあると察していたフェイスに問い詰められ
セバスチャンから聞いた真実を教える
夢の相手ではなかったのだと慰めるフェイスは、セバスチャンと妹たちの微妙な関係にも気づいていて
2人がセバスチャンに触れられるのを嫌がっていることや、キャシーの持っていたナイフのこと
アヒルにあげる餌のパンを、ドリーがこっそりポケットに隠したことなど
あの兄妹には何かあると感じていて、セバスチャンをあきらめてよかったのだと言う
その夜寝つかれないホープは、フェイスの言葉とセバスチャンについてのゴシップなどあれこれ考え
ますます彼のことが理解できなくなるが、キャシーとドリーのことは自分の過去と重なり
たとえセバスチャンと会うのは苦痛でも、2人のために出来ることをしようと決意する
いつものように朝早く目覚めるセバスチャン
妹たちの失踪騒ぎ以来毎日2人が一緒に眠っている部屋へ行き、無事な姿を確認していたが
その日ベッドに近づいた時目をあけたキャシーがナイフを抜くのを見て、大丈夫だと声をかける
ドリーも身動きこそしなかったが目ざめていることはわかっていたので、同じように声をかけるが
ドアを閉めて廊下に出た彼の心は重く、一生2人の信頼を得られないままなのでは?と不安になる
そんな憂鬱を発散させたくて好きな乗馬に出かけたかったが
ホープに出くわすことを恐れていたため、しかたなく仕事で気を紛らわすことにする
約束の時間に迎えに来たホープの表情にいつものような笑顔がないことを知ったセバスチャンは
自分のせいとは言え心が痛み、視線さえ合わせようとしない彼女に勝手ながら落胆する
ホープを傷つけてしまったのか気になり、目の前の仕事に手がつかないまま気もそぞろで
牛のミルクを直接買って飲むと聞き、2人の妹がはしゃぐのを見たことから
一緒に行くことにするが、ホープもフェイスも喜んでいないことを知る
ホープたちはセバスチャンのいないところでキャシーから話を聞き出そうとしていたため
彼が来ると聞いてガッカリするが、すぐに立ち直ったホープは礼儀正しく嬉しいと答える
セバスチャンは3人のメリデュー姉妹がかわす視線から、彼女達が昨日の池でのハプニングで
キャシーがナイフを持っているのを知り、それを自分のせいだと責めているのだと気づく
馬車で行くと考えたセバスチャンの予想を裏切って公園まで行進のように歩いていく一行
メイドや従僕を従えてそれぞれペアになりセバスチャンはホープと一緒に歩くことになり
田舎で育ったから歩くのに慣れていると言われ、レディ・エリノアだったら絶対しないだろうと考える
グリーン・パークの朝は活気や喧騒に満ちていて、気安く通りがかりの人と立ち話をするホープを見て
信じられない思いで、メリデュー姉妹が牛に魅せられていることなど戸惑うばかりだった
ただホープが祖父の話を持ち出した時、グレイスが彼のことを大嫌いだと言うのを聞いて
理由を知りたくなるが、それ以上話は聞けずガッカリする
フェイスが少女達にミルクを飲むか?と聞いた時、ドリーが頷いただけでなくお替りまでするのを見て
仰天しながらも食の細いドリーの進歩だと喜び、ロンドンに連れて来て正解だったとわかる
そんな兄妹を観察するホープは、過保護過ぎる態度をとるセバスチャンに祖父の姿を重ねるフェイスが
彼を疑っているのを知り必死で弁護するが、セバスチャンに楽しみを邪魔されたキャシーは反抗的で
ドリーは無表情でこわばっているのを見て、祖父が怒ったときの自分たちの姿を思い出し
2人の明るい表情を取り戻したいと考えたホープは、アイスを食べに行きましょうと誘う
だが仕事があるからと断るセバスチャンが2人を連れて帰って行くのを見ていたホープは
彼が2人に触れないようにしていることに気づき、祖父と同じだと心が引き裂かれる思いだった
さらに大おじの屋敷に戻った時、セバスチャンがレディ・エリノアを乗せて馬車で通り過ぎるのを見て
仕事があるからと帰っていったのにとホープに同情するフェイスは皮肉を言う
レディ・エリノアへの求愛の方法として、彼女が献身する少女の孤児院を買ったセバスチャン
一緒に孤児院のある町外れまでやって来た彼は、レディ・エリノアが触れられることを嫌っていると知り
求愛が難しいものになると感じていた
中を案内されて規律正しく統率の取れた少女達を見て、やはり彼女こそふさわしいと確信するが
結婚の贈り物が孤児院だと知ったジャイルズは大笑いし
まだ彼が妹たちをレディ・エリノアに会わせてないと知ると何を待っている?とうながし
セバスチャンも確かにその通りだと認め、早速手配することに
だがロンドン通のはずのレディ・エリノアが選んだのは大英博物館で
えんえんとおもしろくもない講義を聞かされたキャシーとドリーが楽しめるはずはなく
著書も残した有名な母親との思い出の場所だと言うレディ・エリノアに我慢も限界となったキャシーは
ナイフを持ち歩いていると自慢してみせるが、以外にもそれに共感を示すレディ・エリノアから
自分もいざと言う時のためハット・ピンを持っていると言われ返す言葉もなくぽかんと見つめるばかりだった
レディ・エリノアのエキセントリックなところもキャシーにはうってつけだと考えるセバスチャンだったが
彼女の言うことは筋が通っていると理解できても、実際のところ女性は男性が守るものと考えていた
帰り道ジャイルズと出くわし、どこへ行くか聞かれたセバスチャンは
ホープの言っていた Gunterの店へアイスクリームを食べに行くと言い、妹たちを喜ばす
初めて食べるアイスに夢中になる妹たちを見て、ホープに教えられたことが
レディ・エリノアの難しい講義の失敗を楽しいものに変えることができたことに皮肉を感じるが
母親の教えに強く執着するレディ・エリノアの態度や、彼女に対するキャシーの反抗的な表情を見ながら
思わずホープと一緒だったら、笑いにあふれた楽しいひと時を過ごせたかもと心に浮かび
それを打ち消すように、レディ・エリノアをあきらめるつもりはないと言い聞かせる
まだここまでで半分もきてないのですが、なかなか進みません
同時にダイアナ・パーマーの "Diamond Girl" と
リンダ・ハワードの「二人だけの荒野」などに手を出しておりますので
毎日5000語程度でギブアップなのです
2,3日中には残り一気に・・と思っていますが、どんなものでしょう・・