死について考えさせられた本 | 若年性乳がんと共に・・・

若年性乳がんと共に・・・

病気のこと、日常のこと、いろんなことを書いていきたいと思っています。

今日、読もう読もうと思いながらずっと読めていなかった
金子 哲雄さんの『僕の死に方 エンディングダイアリー500日』を読みました。
そしてたくさん泣きました。

最近の私は、自分の病気のことをどこか遠くのことのように思っていましたが、
この本を読んで自分の置かれている状況を改めて突きつけられた感じです。

大切な人たちが、私と同じ病気で亡くなりました。
ふとした瞬間に思い出して、泣いてしまうこともあります。

そして、この本を読んで最後まで肺がんと闘い病院で亡くなった父のことを思い浮かべました。
意識がもうろうとする中で、「こんな点滴ではなくて、抗がん剤をしてくれ」と言っていた父。
最後まで病気に勝とうとしていました。
だからこそ死というものが近づいてきた時に、生きるということを諦めきれずに
延命治療をすべきがどうか最後まで答えを出せずにいた父。
私たち家族は、死にゆく父の希望を聞きたくて父にそれを問いました。
その時の苦悩し悲しそうな父の表情は今でも忘れることは出来ません。
結局、父の答えは出ませんでした。
その数日後、夜中に突然心臓が止まり、父は天国へと旅立ちました。
本当に呆気ない最後でした。
私は、父に自分の命の区切りを決めさせようとしたことを今でも後悔しています。
あの時の父は、自分の死を受け入れるところまで気持ちが追いついていなかった。
絶対に生きようとしていたから、どうしてそんなことを聞くんだと思っていたんだろうなぁ。


金子さんのように自分の死に向き合い、死ぬ道筋をどうつけ、
死後をどうするか考えられる人は決して多くはないと思います。

どのように死にゆく道を選ぶのか、遅かれ早かれいつか私にもその時がきます。
その時、私はどんな選択をするのだろう……

人の命は永遠ではない。
だからこそ後悔のない最後を選びたい!と強く思わせてくれた一冊でした。




1年前の8月3日。
笑顔のすてきな方が旅立ちました。
あれからもうすぐ1年。
お空の上で元気にしているかなぁ。
会いたいです。