アラフィフヨーガ講師ダイスケ。


おじさん達よ、

最近ちゃんとたっているか?

ヘニャリと頭を垂れていないか?



ん?


何か勘違いしていないか?


僕が訊ねているのは、

姿勢よく正しく立てているかどうか、

ということである。


スケベだなあ。


お待たせしました。

(誰も待ってないか)


今回は前回の続きで、

ヨーガ的正しい立ち方、

タダーサナのやり方をお伝えする。


タダーサナ(山のポーズ)を極めていけば、

気が下腹部から背骨をグンッと突き上がり、

まるで全身が勃起して、

頭頂から射精するような

快感を感じることもある。


それは極端だとしても、

ただ立っているだけで幸せ〜、

気持ちいい〜、エクスタシ〜♪と

感じることは誰でもできる。



ヨーガ講師になりたての頃、
それだけでは飯が食えなかったので、
夜中のコンビニでバイトをしていた。

夜中はあまり客が来ず、
掃除や補充が主な仕事で、
そうなると何もしない時間も多い。
(本当はやることあったかもしれない)

椅子に座ることは許されないので、
レジの前でただぼーっと
立っていることも多かった。

あまりにも暇で眠くなるし、
立っていることも疲れるので、
客にもスタッフにもカメラにも、
バレないようにヨーガをやった。

英雄のポーズや、頭立ちのポーズなどを
するわけにはいかないので、
見た目にはただ立っているように見える、
ポーズをやった。

タダーサナである。

タダーサナをやると、
すごく気持ちが良かったし、
意識もシャープになった。

時々、全身に鳥肌が立ち、
ビクンッとのけぞるような
快感が突き上がることもあった。

防犯カメラに写っていたかもしれない。


前置きが長くなった。
タダーサナのやり方を解説する。

「バンダ」というヨーガの身体技法を使う。
バンダとは、締め付けるという意味だ。
英語のバンド(帯、ベルト)をイメージするといい。


まず、ただ立つ。

足は股関節幅でいいだろう。
左右の内腿の間は、
りんご一個くらいのスペース。

そのリンゴを落とさないように、
内腿を引き締める。

すねの筋肉と、
膝のお皿の上部、
太ももの下部の筋肉を、
軽く緊張させる。

膝カックンされても、
膝が抜けなくなる引き締まった状態だ。

足うらで地面を踏み締める力が
強くなる。


・足裏のバンダ

足の裏のバンダをおこなう。

足の親指の付け根にある母指球、
小指の付け根にある小子球、かかと。
この3点で大地を押し、土踏まずは
しっかりとアーチを作り、
扁平足にならないようにする。

分かりにくければ、
いちど足の指を全部持ち上げれば、
3点で踏む感覚と土踏まずにアーチが
できる感覚が得られる。
そうしたら、ゆっくりと足指を下ろす。
足の肉球で大地を踏み締める感覚だ。
足裏3点、つまり両足の6点均等に体重がかかる。


・会陰部のバンダ

次に会陰部のバンダ、
ムーラバンダをおこなう。
ムーラは根っこ。大地に根を下ろす感覚だ。

内腿を引き締めることで連動するのだが、
肛門と性器の間の会陰部の筋肉を、
お腹の中に吸い込むように、引き上げる。
難しければ、肛門を締めるでもいい。

骨盤内に沈溺したエネルギーをお腹の方へ、
汲み上げるイメージだ。


・お腹のバンダ

次に、お腹のバンダ、
ウッディヤーナバンダをおこなう。
ウッディヤーナとは、上昇気流。
背骨を伸び上がらせる身体技法だ。

息を吐きながら、腹横筋(女性の着物の帯、
コルセットのようなインナーマッスル)を
引き締める。

間違っても、ボディビルダーが
シックスパックを強調するような、
腹直筋を収縮させるようなことはしてはいけない。

へそを背骨に寄せ、みぞおちの方へ引き上げる。
歯磨き粉のチューブの真ん中をギュッと押すと、
ペーストが上からにゅっとと飛び出すイメージだ。
その圧力で、背骨が上へ伸びる。

もし歯磨きチューブの下の方にも、
穴が空いていたらそこからもペーストが飛び出す。
つまり、お腹のバンダを入れると、
下半身もグッと下向きに伸び、
より踏み締める感覚が強まり、
根を下ろし安定する。

下腹部から汲み上げられたエネルギーを、
お腹の炎の力で燃やし、上昇気流を生み出し、
胸へ引き上げるイメージだ。

・喉のバンダ

喉のバンダ、ジャーランダラバンダ入れる。
ジャーランダラとは網目、メッシュだ。

正式なやり方は頭を下に向け、
アゴを左右の鎖骨の間の窪みにつけ、
喉を引き締めるのだが、
タダーサナでは、軽くアゴを引く感覚でいい。

猫背だったり、スマホに夢中だったりすれば、
ボーリングの球くらいある頭を斜めに
支えることになり、
頚椎と首肩の筋肉にかなりの負担を
かけ続けることになる。
それが肩こり、慢性頭痛、
ストレートネックの原因だ。

タダーサナでのジャーランダラバンダは、
アゴを軽く引き、顔を正面に向けることで、
骨盤の真上にストンと頭が乗っかり、
首、肩、腰の筋肉や脊椎全体に、
負担がかからなくなる。

首周りの筋肉に適度な緊張とリラックスが
生まれ、気道、甲状腺、頸動脈が
適切に広がり、呼吸、血流、リンパの流れ、
脳から身体への神経伝達などがスムーズに
おこなわれる。

喉の網目が広がり、
胸へ引き上がったエネルギーが、
滑らかに頭部へ上がる。


続いて頭頂部を意識する。
あなたがUFOキャッチャーの景品の
ぬいぐるみだとして、頭頂部に付いている紐が、
クレーンのフックに引っかかって、
吊り上げられるイメージ。
あるいは、身長計を軽く押し上げるイメージでもいい。


両肩は腕をだらりと下ろし、その重さにあずける。
肩はストンと落ちて、首がスラリと伸びる。

胸は軽く開く。開きすぎると背中が緊張しすぎるので、
肩甲骨の間も軽く開き、
胸も背中も適度な緊張とリラックスを意識する。

ここまでが身体操作。


ヨーガはイメージも大切だ。
タダーサナは「山のポーズ」。

日本人として、富士山をイメージしてみよう。
下半身は裾野だ。大きく広がり、大地とつながり、
どっしりと揺るぎなく安定している。動かざること
山の如し。

下腹部には強烈なエネルギー、
熱いマグマが煮えたぎる。

上半身は山の中腹から山頂だ。
上へ上がるに連れて、気圧が下がり、
軽くなって、ひんやりとした風が
吹き抜ける。

富士山はなで肩だ(?)

両肩は富士山のようにストンと落ちて、
頭頂には青空が澄み渡り、
胸や頭の中には涼しい
呼吸の風が吹き抜ける。

マグマが火口へ上昇するように、
バンダによって、エネルギーが背骨を突き上がり、
頭頂を貫き、無限の宇宙へ広がる。

あとは大木になったイメージもおすすめ。

足裏から大地に深く根を生やしている。
根っこから大地の養分を吸い上るように、
足裏から息を吸って、幹である背骨を昇っていく。
頭頂部から枝や葉が広がる。
吐く息で、天から降り注ぐ太陽エネルギーを
枝葉から吸収し、幹を降りて、
足裏の大地へ下ろしていく。



・・・・・・・

はい、お疲れさんでした。

これがタダーサナである。
やることいっぱいありそうだけど、
全部連動しているので、下半身が整えば、
ある程度、上半身も整っていく。
あとは微調整して、イメージを広げる。

姿勢、呼吸、イメージ。

禅で言えば、調身、調息、調心。


最初は難しいかもしれないが、
慣れてくると、本当にエネルギーが上昇して、
のけぞるようなエクスタシーを得られるはずだ。

天と地とつながる。
まさに天地人。

んもう、立ってるだけで幸せ❤️
となる。

ある程度いろんなアーサナを
やって身体を整えてからやれば、
ものすごく実感できる。

タダーサナは、前回のブログにも書いたが、
いつでもどこでもできる。

レジの列に並んでいるとき。
上司に怒られているとき。
明け方の街、桜木町。
急行待ちの踏切あたり。
旅先の店。

ぜひ、ちゃんと読んでやってみてほしい。

上手くいきすぎて、
のけぞって変な声が出て、
白い目で見られても、当方は一切責任は負わない。