アラフィフヨーガ講師ダイスケ。


我が同胞、おじさんたちよ。


身体は元「気」ですか?

幸せな「気」分でいますか?

今この瞬間、自分に「気」づいていますか?



ホテルの宿泊客のための朝ヨガクラスを

受け持っている。


ヨガは初めてという参加者も多く、

そんな人たちへ向けて、最初に伝える言葉がある。


「ヨーガは、心と体を幸せにするツールです。」



実際、「とても贅沢な時間でした」

「すごく身体も心も緩まりました」などの

感想をたくさんいただくし、

明らかにレッスン前よりも、

表情が柔らかくなり、

安らぎや喜びを感じているのが、

見てわかる。



何より僕自身が、

それを強く実感したからこそ、

ヨーガにハマったのだし、

その喜びをみんなと分かち合いたくて、

講師になったのだ。


「ヨーガは、心と体を幸せにするツールです。」

の後に続く言葉もある。


「そのためにやってほしいことは、

ポーズで起こる身体の感覚や呼吸に気づきを

向けてください。

そうすれば、ポーズはちょうど良い形になり、

呼吸も気持ちよくおこなえて、

結果、身体も心もすごくほぐれていきます。」


筋力や柔軟性よりも、

ヨーガを深めていくために

大切なのが、「気づき」だ。


気づきを向けるということは、

即ち「気」を送ること。


気、エネルギー、プラーナ。

すべて同じ意味で捉えてもいい。


もう少し厳密にいうと、プラーナは、

大宇宙のはたらき全てを担う、

根源的な万物の生命エネルギーだ。


太陽が燃える、地球が回る、

風が吹く、花が咲く、

身体を動かす、思考感情、新陳代謝、

消化吸収、排泄、呼吸、

生殖・・・・


この宇宙、

すべての動力がプラーナによるものだ。



呼吸によって、宇宙から酸素だけでなく、

プラーナを摂取することで、

身体のエネルギーシステムが潤滑に

働き、身体は元気になり、

幸せな気分になるのだ。


ポーズをおこなわず、

身体に気づきを向けるだけで、

細胞たちは自然と調う方向へ

働きはじめる。



では、あなたに今、
気の力を実感していただこう。



手のひらの感覚に気づきを向ける。


左右の手のひら、指先まで、

繊細に感じてみる。


だんだんと、温かくなってくるだろう。

これには二つの作用が起こっている。


元々、温かいことに気づいた。

もう一つは、実際に体温が上がり、

温かくなるのだ。


気づきを向けたことで、

手のひらにある細胞が反応したのだ。




今度は、背骨に気づきを向けてみよう。


ほら、背すじがスーッと伸びたと思う。


さらにイメージしてみてほしい。


椎骨の間にある椎間板のあるスペースが、

蛇腹のストローを縦にまっすぐ伸ばしたように、

少しずつ広がっていく。


背骨が伸びていくという

「気持ち」が入っているのだ。


頑張って伸ばそうと意図すると、

身体に余計な緊張が起こりやすいが、

イメージをすると自然と伸びていくだろう。



今度は、呼吸に気づく。


深呼吸などせずに、

自然に繰り返す呼吸を

とても繊細に感じてみる。


吸う息が、鼻先から入り、

喉を通り、胸やお腹に広がる感覚。


吐く息が、胸のどを上り、

鼻先を抜けていく感覚。



自然と深くなる。

呼吸がおいしくて、

身体に吹く風が心地いいと

感じるかもしれない。



無意識にしている呼吸は、

代謝性呼吸といって、

脳のいちばん深いところにある、

脳幹という爬虫類脳が命令している。


息を吸って、酸素を取り込み、

生きろという命令だ。


一般の人たちの

代謝性呼吸は非常に浅い。


気づきを向けた呼吸は、

随意呼吸といって、

脳のいちばん外側、

大脳新皮質という人間脳が、

命令に切り替わる。


息を吐いて、老廃物や疲労物質、

身体の緊張、ストレスやネガティブな想念などを

排出し、「安らぎなさい」という命令だ。



代謝性呼吸は、

酸素や窒素を取り込んで、

生命を維持している。


ヨーガでは、

意識を向けた随意呼吸で、

繊細に精密に吸うことで、

プラーナを身体中に取り込み、

生命力やチャクラを活性化する

と言われている。



呼吸も背骨と同様、

イメージによって、

より効果を高めることができる。


やってみてほしい。




・小周天


吸う息が尾骨から背骨を上昇し、

頭頂部まで上がる。

吐く息は頭頂から背骨を下降し、

尾骨まで戻る。


これだけで、

ある程度気の巡りは調う。



・宇宙とつながる呼吸


あなたが息を吸っているのではなく、

大宇宙が、あなたの中にプラーナを

吹き込んできて、胸やお腹や背中が

膨らみ、内宇宙が拡張する。


あなたが吐いているのではなく、

大宇宙が、あなたの中から、

身体の緊張や疲れ、ストレス、

ネガティブな想念などを

吸い上げていき、身体が萎んで、

内宇宙が縮小する。


自分で呼吸しているのではなく、

大宇宙があなたを使って呼吸を

繰り返している。


これだけで、自然と無理なく、

とても深い呼吸になるし、

内と外の調和が起こり、

分離感や孤独感が緩和し、

世界との繋がりを感じられる。



身体の癖や、考え方の癖などで、

筋肉や内臓が緊張し、

痛みや歪みを起こすことがある。


その部分の気が滞っているのだ。


もちろん、ポーズで身体を動かし、

緩めることも大切だが、

その部位に気づきを向けるだけでも、

緊張や痛みは緩和することもある。


痛みや歪みに対して、

否定や批判をせず、

心の目で見つめ、愛を送る。

その存在を包んで認めた上で、

緩和するイメージをすれば、

さらに効果があるかもしれない。


たとえもし、

今あなたが、寝たきりで体を動かすことが

ままならず、ヨーガどころじゃないとしても、

気づきを向けること、感じること、

イメージすることはできるだろう。


背骨、呼吸、筋肉、関節、臓器、思考、感情。


自分自身を包み込むように、

温かく柔らかく、気づきの光を照らせば、

完全に治癒することはないかもしれないが、

心も身体も幸せになり、

今よりは改善されるかもしれない。


プラシーボ効果とは、

気持ちによって、

良い気を巡らせることかもしれない。



気づきの光を向けると、

細胞たちは、まるで母親に

見守られ愛されていることを

実感する子どものように、

歓喜する。


この気づきの光というのは、

もしかしたら、仏の慈悲の光かもしれない。


仏は、あなたや僕の奥深くに遍在し、

内なる光を照らし続けてくれている。


僕はそう実感するのだ。