アラフィフヨーガ講師ダイスケ。


幸せになりたいと願う、

我が同胞、おじさん達へ捧げる。


幸福の絶対条件とはなんだろう。


それは、

「幸福になろうと思わないこと」

「今をありのまま受け入れること」


幸福になりたいと思うことは、

自分の中に幸福とはこういうものだという、

何かとの比較によって凝り固まった観念があり、

それにそぐわない自分は

不幸だと定義していることになる。


そうすると、

今目の前にたくさんある

豊かさを見失う。


例えば、毎日ご飯が食べられる。

雨風凌いで布団で眠れる。

呼吸ができて身体が動く。


それは当たり前ではない。

それすら叶わない人たちが、

世界中には大勢いる。


しかもそんな人たちの中にさえ、

幸福を感じている人もいる。


今ある豊かさをしっかりと受け取れば、

本当は不足はないと気づけるはずだ。


不幸だから何かをするのではなく、

幸福という土台の上で、

こうなりたい、これをしたいということを

実現することは、人生の彩りであり、

喜びとなる。


そんな幸福と喜びについて書かれた、

素晴らしい詩がある。


〜ニーバーの祈り〜


神よ、変えることのできるものを

変えるだけの勇気を与えてください


変えることのできないものを

受け入れる冷静さを与えてください


そして変えられるものと

変えられないものを

識別する知恵を与えてください



30代後半の頃、

何をすれば幸せにれるのか

わからず、人生に行き詰まっていたときに、

この詩を初めて読んだ。


乾いたスポンジが水を吸収するように、

言葉が入ってきた。


だが、実生活の中でそれを実践するのは、

難しかった。


そんなときにヨーガに出会った。


ヨーガの実践は、

まさにニーバーの祈りを

体現することなのだ。



様々なポーズがあるが、

その中には人によって簡単にできるものもあれば、

なんとか苦しいけど形になるもの、

とてもじゃないが一生かかっても無理だと

思う超人的なものまである。


ヨーガを実践するということは、

いろんなポーズの精度を高め、

精神と肉体を成長させることだ。


だが、「幸福になりたい」と思うのと

同じように、

「このポーズができるようになりたい!」

と切実に思えば思うほど、

ある意味、現状自己否定を強化し、

苦しくなることがある。


それでも毎日、コツコツ続ける。

昨日と変わらない今日。

次の日も変わらない。

1ヶ月経ってもできる気がしない。


無理をしてやろうとすれば、

怪我をする。


とくに難しいポーズは、

怪我のリスクが高い。


だから慎重にやりつつ、

チャレンジする勇気が

必要になる。


実際にぼくも、

首、肩、腰、背中、股関節、太ももなど

痛めまくった。


自分には無理なのか・・・!?


できないことを受け入れるしかない。


だが、それでもできないなりに、

慎重さと勇気を持って、

淡々と続けていく。


がむしゃらにやるのではなく、

どうすれば、完成に近づくことが

できるのか考える。


どこが硬くてできなくしているのか、

どういう角度で持っていたらいいのか、

その前に似ている簡単なポーズを練習した

ほうがいいのか。


身体の声に耳を傾け、

自分自身と対話する。


3ヶ月、半年、一年・・・

突然、その日はやってくる。


その瞬間、ものすごい達成感が生まれ、

歓喜が溢れ出してくる。


はい、カット!次へいこう。


喜びの場面は終わり、そこからは、

そのポーズでさえ、

日々のプラクティスの流れの一部になる。



そんなことをコツコツと繰り返し、

数年前の自分と比べたとき、

ポーズの精度も身体も、

精神も成長していることを知る。


心と身体が、

強い信頼関係で結ばれる。


何より、できようと、

できなかろうと、

毎日ヨーガをできることは、

なんと豊かで贅沢で幸福なことだろう。


ヨーガを愛し、

ヨーガの神に愛されることは、

稀有なのだ。


できるようになった

ポーズはより精度を高め、

できないポーズは、

そのことを受け入れる

心の器を持ちながら、

勇気を持ってチャレンジしていく。


そのプロセスの中で、

現状この身体は何ができて、

何ができないのか、

どうすれば理想に近づけるのか、

感情を入れず、

冷静に識別していく。



そんなことを日々、

繰り返していると、

いつしか実生活においても、

その在り方になってくる。


仕事や人間関係など、

思い通りにならないことは受け入れ、

改善できることはそうする。


すぐにうまくいかなくても、

それをありのまま受け入れ、

天に委ねる。


自分も他人も出来事も

否定しない。


僕は、それで

生きづらかった人生を

変えることができて、

やってこれた。


ニーバーの祈りの体現である。


神よ、変えることのできるものを

変えるだけの勇気を与えてください


変えることのできないものを

受け入れる冷静さを与えてください


そして変えられるものと

変えられないものを

識別する知恵を与えてください



ヨーガをやれば、たとえスポーツや

筋トレをしていたとしても、

驚くほど身体が自由にならない

ことに気づくだろう。


それでも淡々と続けていれば、

相変わらずできないポーズは

たくさんあるが、

過去の自分と比べてみれば、

身体能力も、容姿も、精神も、

驚くほど変化していることに

気づくだろう。


もっとも素晴らしいのは、

変わらない自分を受け入れることの

できる冷静さと心の器が生まれたという、

大きな変化だ。


おじさん達よ、

ヨーガをやるべし!!