作家の伊集院静さんが胆管がんで亡くなりました
私は夏目雅子さんのご主人として伊集院さんを知りました。今でもあんなにキレイな方はいないと思っています。特に結婚されてしばらくし、インタビューを受けていらした時の輝くような美しさ。27歳の若さで逝去された時はもったいないなぁと心から思いました。
そして伊集院さんの作品にも触れるようになります。小説は勿論ですがエッセイ「大人の流儀」シリーズが大好きで若くして亡くした弟さんのこと、高齢のお母様への思い、ご自分のルーツ、愛犬の話等々、無頼派と言われる伊集院さんの考えや生き方は決して無頼派ではないなあと感じていました。
私が救われたことがあります。週刊誌で悩み相談をしていた伊集院さん。時にはふざけた筆致で悩みを切り捨てるのですが、ある時、学生時代に片想いをしていた相手の方が何年か前に亡くなっていたことを知った相談者に「一人の相手をずっと思い続けられたあなたの心の在り方と それだけ思っていられる人とめぐり会えたこと」が素敵だと応えていました。
当時若かった私も、ちょっぴり苦しい恋をしていましてこの言葉にどれだけ救われたことか。
新聞に連載していた小説で「生きるは束の間 死ぬはしばしのいとま」という死生観を伝えていた伊集院さん
もう少し大人の流儀を読みたかったなあ。