昔、中国の工場で仕事をしていたときに、
「えっ!?そこ止めるん?」
と、本気でビックリしたことがありました。
もう20年以上も前の話になりますが、僕は以前、工場の設備に関わる仕事をしていました。
その頃、中国へ進出した日系企業の工場でも仕事をしていたんですが、
現地では生産設備をどんどん増やしていくことがあります。
当然、機械を増やせば設備への負荷も大きくなります。
そこで、
「これ以上、同時に電気を使ったら危ないですよ」
というところまで負荷がかかると、警報音が鳴るようになっていました。
もし警報が鳴ったら、機械の接続を変えたり、負荷を減らしたりする。
そうすることで、大きな設備トラブルになる前に対処する。
つまり工場の警報音は、
配電設備を壊さないために教えてくれる、大切なサイン
だったんです。
ところが、ある日から警報音が鳴らなくなった
いつものように工場の中を歩いていたとき、
ふと気づきました。
「あれ?最近、警報が鳴らへんな……」
それまで時々鳴っていた警報音が、全然聞こえません。
「何か変えた?」
と現地の担当者に聞いてみました。
すると、その人が満面の笑みで、
自信満々に教えてくれたんです。
「いつも警報音が鳴るたびに、機械を何台か止めないといけなかったから、警報音の線を切った!」
そして、
「これで、何台でも同時に機械を動かすことができる!」
……いやいやいや。
そこ止めたらアカンやろ(笑)。
それって、危険を知らせる音を鳴らなくしただけで、
当然、設備にかかる負担は何も変わってません。
だから、
「危ない!」と教えてくれるものがなくなった分、もっと怖い。
でも僕、この出来事を経験したときに思ったんです。
これって、
僕たちも自分の身体に、同じようなことをしてないかな?
身体にも「警報音」があります
例えば「痛み」です。
腰が痛い。
肩が痛い。
膝が痛い。
頭が痛い。
お腹が痛い。
身体に痛みが出ると、
「この痛み、早く消えてくれへんかな」
と思います。
そりゃそうですよね。
痛いのは嫌です。
仕事にも集中できないし、眠れないことだってあります。
だから痛み止めが必要になることもあります。
でも、
「痛みが消えた」ことと、「痛みを起こしていた問題がなくなった」ことは、同じでしょうか?
ここを僕は考えてほしいんです。
警報音を止めても、設備への負荷は消えない
さっきの工場の話なら分かりやすいですよね。
警報音が
「ピーピーピー!」
と鳴っている。
うるさい。
だから警報装置を切った。
静かになった。
「よし、直った!」
……とは誰も思わないでしょう。
見るべきなのは、
「なぜ警報が鳴ったのか?」
です。
機械を一度に動かし過ぎたのか。
一ヶ所に負荷が集中していないか。
設備自体の不具合なのか。
本来はそこを調べるはず。
僕は身体も同じように考えます。
「痛いところ」だけが原因とは限らない
ここが、設備の仕事をしていた僕が、身体を見るようになってから面白いと感じたところでもあります。
設備が故障したとき、
故障している場所だけ見ても原因が分からない
ことがあります。
もっと上流に原因があることもあります。
だから僕は、
「どこからおかしくなった?」
「その前は?」
「さらに上流には何がある?」
とたどっていました。
そして自分自身がいろいろな不調を経験するようになったとき、
身体に対しても同じように考えるようになりました。
頭が痛い。
じゃあ、頭だけの問題なんやろか?
腰が痛い。
じゃあ、腰だけ見ればいいんやろか?
眠れない。
じゃあ、眠らせれば、それで終わりなんやろか?
一つずつ、
「なんで?」
と上流へたどっていく。
これが、美腸セラピーの考え方にもつながっています。
症状は「邪魔者」ではなく、身体からの情報かもしれない
もちろん、痛みにはいろいろな原因があります。
医療機関で確認した方がいいものもありますし、
「痛み止めを飲むな」と言ってるわけでもありません。
だって、痛みを和らげることが必要なときもあります。
僕が言いたいのは、その先です。
痛みを抑えて楽になった。
そこで終わってしまわない。
「なんで痛いんやろ?」
身体が何かを伝えているのなら、
警報音を止めるだけではなく、その警報が鳴った理由にも目を向ける。
僕は、それが自分の身体を大切にすることだと思っています。
腸を見るときも同じです
例えば、便秘で悩んでいる時、
便が出ない。
だから薬で出す。
また出ない。
また薬で出す。
もちろん、出なくて苦しいときには「出す」ためのお薬という選択も必要でしょう。
でも僕なら、
「なんで、この人の腸は自分の力で送り出しにくくなっているんやろ?」
と、原因からも考えます。
食事内容なのか。
生活リズムなのか。
ストレスなのか。
身体の疲れなのか。
年齢による弱りか。
いくつもの負荷が重なっていることもある。
だから美腸セラピーでは、
「便秘だから便を出す」だけでは終わりません。
便秘を引き起こしている原因から考えます。
美腸セラピーで教えたいのは「なんで?」と考えること
養成講座で僕が伝えたいのも、
「腸への施術はこの手順」
「便秘の人にはこういう食事」
「便が出ればそれでOK」
という答えを暗記することではありません。
むしろ、受講生の人には
「なんで、この人はこうなっているんやろ?」
と考えられるようになってほしい。
そのために、
抱えている不調を聞く。
お腹を観察して絵に描く。
状態に合わせて施術する。
不調と腸の関連を考える。
自分ケア方法も提案する。
僕はこの繰り返しを大切にしています。
「原因をたどる身体の見方」を学んでみませんか?
美腸療術師 養成講座では、腸を揉む手順だけを教えているわけではありません。
腸本来の働きを学ぶ
不調と腸の関連を学ぶ
腸への負担を多面的に学ぶ
お腹の観察方法を学ぶ
触り方の違いを学ぶ
そして、
目の前に出ている不調から「なぜ?」を考え、その上流をたどっていく見方。
この見方は、20年近く腸と向き合ってきた美腸セラピーの施術現場からつながっています。
この記事を読んで、
「症状だけを見るんじゃなく、身体をこんなふうに考えるのは面白いな」
「自分も、目の前の人の不調をもう少し深く考えられるようになりたい」
と思ってくださった方は、美腸療術師 養成講座の資料を一度読んでみてください。

















