先週末は福岡県の多くの高校が新年度初のトレーニングマッチを行い、ようやく通常の学校生活が戻ってきたようだ。
6月27日、社会人選手権の取材の為にフットボールセンターを訪れたが、別のピッチで武蔵台、三潴、筑紫がトレーニングマッチを行なっていた。
コロナウイルスに対する警戒は緩めることは出来ないが、ようやく日常が戻ってきたと感じられた。
三潴(赤)筑紫(白)
さて、本題は上記の通り社会人サッカー選手権である。
この大会は県1部リーグの上位チームと、福岡、北九州、筑後の各地区リーグの優勝チームがトーナメントを戦い、優勝すると各県大会のチャンピオンに九州リーグ上位4チームを加えた九州大会への出場権が与えられる。
三宅クラブ−PERADA F.C Granrio
三宅クラブは昨シーズンまで県リーグを6連覇している強豪だが、対するPERADA F.C Granrio(以下、PERADA)は筑後地区2位(同地区から県リーグ昇格チームが出た為、繰り上げ出場)で、三宅クラブの圧勝を安易に予想していた。
やはり三宅クラブの攻勢で、サイドからの攻撃で多くチャンスを作る。
前半に三宅クラブが先制するが、PERADAもチャンスを作り、24分に同点ゴールを決める。
29分に右サイドからの低く鋭いクロスに合わせてダイレクトシュートを突き刺し、三宅クラブが勝ち越しに成功するが、その後もPERADAの士気は下がらず、バイタルに進入してチャンスを作っていた。
後半に入り、約10分が経過したところで三宅クラブがリードを広げ、3-1となる。
2点差に開いたことで勝負が決まったように思えたが、 PERADAは筑陽学園出身の古賀 敬仁にボールを集めて得点を目指す。
古賀 敬仁
何度もバイタルに侵入し、決定的なシュートを放っていたが得点には結び付かず、三宅クラブが準決勝に進出した。
【コメント】
PERADA F.C Granrio、古賀 敬仁選手
Q:今日の試合を振り返って下さい。
A:あと1点決めれたかなと思います。練習不足でした(笑)
Q:社会人チームに入っての感想は?
A:高校サッカーとは全然違うことが多いので、もっと対応していきたいです。
Q:今の職業は?
A:専門学校で公務員を目指して勉強しています。
Q:高校卒業後もサッカーを続けたいと考えている後輩たちへアドバイスをお願いします。
A:自分がやりたいと思えば、大学で本格的に続ければ良いと思います。
サッカー以外の目指したい夢があっても、社会人サッカーという場があって、勝ち上がっていけば強いチームとも戦えるし、自分の夢を目指しながら頑張って欲しいと思います。
春日イーグルス−ZERO F.A.C
昨シーズン県1部4位の春日イーグルスと、北九州地区1位のZERO F.A.Cの1戦は、イーグルスが力の差を見せつけ、前半だけで4-0と突き放す。
後半に入ると更に勢いに乗り、6得点を追加して10-0でイーグルスが勝利した。
光陽クラブ−七隈トンビーズ
1回戦で唯一の県リーグ同士の対戦カードとなった。前半に光陽クラブが2点をリードする。
ボールを支配する時間は長くないが、着実にシュートまで運ぶ光陽クラブに対し、トンビーズはボールを持ちながらバイタルへ侵入することができない。
トンビーズは31分に強烈なシュートで枠を捉え、こぼれ球を拾い、右サイドからのアーリーの折り返しに龍野 駿一がヘッドで合わせるが、枠を捉えることができない。
トンビーズは前半の終盤にバイタルに侵入する場面が増えるが、得点には至らず2−0のまま前半を終了する。
後半に追い上げたいトンビーズだが、光陽クラブの勢いが加速し、2点を追加して4−0とする。
トンビーズは1点を返したが、それ以上の反撃はできず、光陽クラブは更に1点を追加して5−1で準決勝へ駒を進めた。
【コメント】
光陽クラブ、西川晋司キャプテン
Q:現在のチーム状況を教えて下さい。
A:活動を再開したばかりで、あまり身体が動いてませんが、新戦力も入り、良い雰囲気だと思います。
Q:光陽クラブは、どのような経緯で結成されたチームでしょうか?
A:元々、古賀のチームのOBが集まり、繋がりのあった東福岡や東海大五(東海福岡)の卒業生や友達が加わって結成されました。
今は東福岡と東海の卒業生が中心となっています。
Q:卒業後もサッカーを続けたいと考えている高校生にアドバイスをお願いします。
A:カテゴリーを問わなければ、チームは沢山あるので、自分が雰囲気が良いと思うチームに入れば良いと思います。
あとチームを選ぶポイントとしては、活動の頻度とかですね。
光陽クラブは、仕事や家庭の事情で、あまり集まれない為、公式戦と練習試合が主な活動で普段の練習をしていませんが、練習を行っているチームもあるので、ホームページを探してみるとかして、自分に合ったチームに入ると良いと思います。
ZEAL F.C.−arte san
福岡地区代表のZEAL F.C.は、県1部リーグ2位のarte san相手に攻勢で試合を進めていた。
思うように展開できずにいたarte sanが28分にラッキーな形で先制する。
先制されたZEAL F.C.は30分、ペナルティーエリアに侵入してチャージを誘う。プレイオンとなったが、ペースは変わらない。
32分にarte sanが追加点を決め、リードを広げるが、40分にZEAL F.C.が1点を返して食らいつき、2−1で前半を終了する。
後半、リードしながら主導権を握っているとは言えないarte sanは、追加点を狙ってチャンスを作るが、枠を捉えることが出来ない。
するとペースはどんどんZEAL F.C.に傾き、後半9分に同点に追いつくと、後半35分に遂に逆転に成功、これが決勝点となり、ZEAL F.C.が地区リーグで唯一、準決勝に進出した。
【写真家の独り言】
このような時期だからこそ、ユース世代の選手たちに卒業後の競技継続について考えて欲しい。
今年は試合数が大幅に減り、3年生は消化不良での引退にならないか、最も心配していることだ。
もし、大きな大会が減ったことでモチベーションが下がっていたり、引退後に物足りなさを感じたら、是非、社会人のカテゴリーを視野に入れて欲しい。