こんにちは、医療職のダイです。



病院で事務職として働いていた僕は「言語聴覚士になりたい」と一念発起!…46歳の時でした。

そして48歳で国家試験に合格して、言語聴覚士として同じ病院で働き始めました。



今回のブログ記事では、当時のことを振り返りながら綴っていきます。


大阪に行って「あべのハルカス」の高層階に泊まってみたいと常々思っていました。

そしてチャンス到来!

大阪で開催される講習会に申し込み、その日の夜は「あべのハルカス」に予約を入れました。

地上300mの展望台や55階の客室の全面ガラス張りの窓から見下ろす眺めは格別で、今でも頭から離れません。

大阪で開催された講習会とは「統計・研究の手法」でした。

当時は常日頃「高齢者の嚥下に関しての研究を行いたい」という気持ちが湧いてきていました。

しかし、そのために用いる統計手法等、分からないことが多く、着手出来ずにいたのです。

そんな時にたまたまネットで「統計・研究の手法」の講習会の案内を目にして「これはチャンスだ」と思い申し込んだのです。

講習会では、研究とは?という話から始まり、具体的な統計手法、論文検索の方法などといった、研究を行うのに必要なノーハウについて学ぶことができました。

帰宅後、4Stepエクセル統計 第4版 という本を注文しました。


この本の内容は、確率的に偶然とは考えにくく、意味があると考えられる「有意差」の有無を確認する時に威力を発揮し随分と助けられました。

「何を研究テーマにするか?」を最初に考える必要がありましたが、以前より、研修するなら「在宅高齢者の嚥下と栄養の関連」についてやってみたいと思っていました。

そして、対象は院内併設の通所リハビリテーションの利用者様を考えていました。

そして、研究内容を『日本摂食嚥下リハビリテーション学会』の学術大会で発表したいと考えました。

学会発表なるものを、前から一度やってみたかったのです。

こうして、研究のテーマを決めた時点で『学会発表』というひとつの目標を定めたわけです。

こうした目標設定は、研究に対するモチベーションを下げない為の手段でもありましたが、それが見事に功を奏しました。



研究を始めるにあたっては、クリアしなければならないハードルがありました。



実際に着手する前に「研究計画書」を作成して院内の倫理委員会の承認を得る必要があったのです。

倫理委員会は、医療への患者の意思(や家族の意向)の反映、情報開示、インフォームド コンセントのあり方、その他倫理的検討が必要なテーマについて検討し提言を行います。

つまり、僕が計画している「通所リハビリテーションの利用者様を対象とした研究」が倫理的に問題がなく妥当なものであるかが審査されるわけです。

そのために、研修申請書と共に求められるのが「研究計画書」です。

研究計画書に記載する内容は以下のとおりです

① 研究テーマ
② 研究の背景
③ 研究の概要
④ 研究の目的
⑤ 研究の方法

はじめてのことでしたので、紆余曲折がありましたが、なんとか委員会の承認をいただくことができました。

それから10ヶ月後の某日、僕は千葉の幕張メッセ内の会場の演壇にて、マイク片手に研究発表を行なっていました。

夢見た光景でした。

ひとつの大きな目標が達成できたのです。



研究に関しては、全くのゼロの状態から始めたので、決して楽ではありませんでした。

しかし、沢山の人に助けられての成功体験は、自分の言語聴覚士としての人生の中で大きな足跡を残しました。



研究に取り組んだことが、自分が言語聴覚士として、一皮剥けるきっかけになったことは間違いありません。