46歳の春、それまで病院に勤務していた僕は、一念発起!某医療専門学校の言語聴覚学科に入学しました。
言語聴覚士になりたい一心で
起床:朝4時半
帰宅:午後8時
通学:片道2時間半
といった生活を2年間続け、国試に合格することができました。
当時の自分を振り返っていきます。
今回のブログ記事は言語聴覚士テキストについてです。
僕が国試対策として活用したのは『言語聴覚士テキスト』というB5版の400ページ程度の本でした。
2005年に初版が刊行され、2011年に第二版になり、現在は第三版になっているようです。
『言語聴覚士テキスト』は、言語聴覚士を目指す学生は誰もが持っている定番の本です。
言語聴覚障害学にかかわる領域を余すことなくカバーし、分野(科目)毎にわけられ、必要な知識と情報を解説した内容となっています。
しかし、国試対策本としては内容が薄いと言われていました。
「全部暗記しても国試では半分しか点が取れないらしいよ」
といった話が学生の間で、まことしやかに囁かれていました。
そんな『言語聴覚士テキスト』でしたが、言語聴覚学科の卒業試験の出題範囲でもあったのです。
1年生終了時に担任の先生から
「2年生からの国試対策の授業の時に『言語聴覚士テキスト』を必ず持ってくるように」
と言われていました。
そして実際の授業の中で、大切な内容が出てきた時に
「『言語聴覚士テキスト』の〇〇ページの所はマーキングしてください」
「今からいう事を『言語聴覚士テキスト』に書き足してください」
といった指示がありました。
僕は『言語聴覚士テキスト』について、国試を受験するにあたり「最低限押さえておかねばならない基本書」だと理解しました。
そして『言語聴覚士テキスト』を肌身離さず持ち歩こうと決めました。
そして以下のとおりに2つのルールを作って、それを1年間続けました。
①隙間時間を利用して読みまくること
②授業や模試や小テストに出てきた項目にチェックを入れ、足らない情報や自分で調べた追加情報は青いボールペンでどんどん書き込むこと
2年次は前期試験終了後から実習や特別講義や模擬試験などが入り乱れ、タイトなスケジュールの中での国試対策が求められます。
限られた時間を有効に使うために、僕は勉強ノートを作ることを一切やめました。
「『言語聴覚士テキスト』を自分のノートと考えて、足らない情報を書き足していく事で、国試対策として万全なテキストに仕上げていこう」
と考えそれを実践しました。
テキスト本に必要な内容を加筆して、自分に合ったオリジナルなノートに作り上げていこうと思ったわけです。
『言語聴覚士テキスト』に自分の書き込みが増えて使用感が増す毎に、愛着も増していきました。
そして、書き込んでいくことに対して、ある種の喜びを覚えるようになっていったのです。
そうやって、インプットした知識を模擬試験でアウトプット。
模擬試験で間違った項目は調べて、その内容を必要に応じて『言語聴覚士テキスト』に書き込んでいきました。
12月に入って過去問を解き始めた頃には、内容がかなり充実していました。
そして迎えた国試の日。
おかげさまで、桜を咲かせることできました。
こうした勉強法は、言語聴覚士になって10年後に受験した、公認心理師試験の受験対策にも活かすことができ、そこでも結果を出すことが出来ました。
仕事を続けながらの独学で、公認心理師試験に合格した具体的な勉強法は、また別の機会に紹介したいと思います。
国試まで酷使(ダジャレの様ですね)されたぼろぼろになった『言語聴覚士テキスト』はいまでも持っています。
その内容を見返すことは殆どありませんが、デスク横の本立てに立っています。
特に意識はしたことはありませんが、日々目につく所にあることで、言語聴覚士としての気持ちが整っているのかもしれませんね。