僕が大学を卒業してから医療職に就くまでの経歴は以下の通りです。
① コンピュータ会社に就職
② 体外診断薬メーカーへ転職
③ 新規事業に伴う別会社への転職〜退職
④ 紆余曲折の黒歴史
⑤ 病院へ転職
現在は、⑤の病院へ入職後のお話しです。
今後の身の振り方を考えて、医療・介護の専門職を目指したい事とその理由について、女房に打ち明けました。
病院でいままでどのような仕事をやってきて、いまはどんな状況で、どのような気持ちでいるのか。
そして、どうして自分に資格が必要だと思ったのか。
これらのことについて、丁寧に話をしました。
僕らは、普段から色んな事を話し合っていましたので、彼女は、ある程度の事は察知していたのだと思います。
専門職について考えるときには、休職時にリサーチして得た知識が役に立ちました。
ひと通り話し終えた後「介護福祉士か介護支援専門員を目指したい」と伝えました。
すると、彼女は「どうせなら言語聴覚士を目指せばいいのに」と言うのです。
たしかに、僕の本心は『言語聴覚士』でしたが、全日制の学校に2〜3年通う必要がある事と学費負担の事を考えると、なかなか言えることではありませんでした。
当時の制度では、現場での経験年数を積めば、僕でも介護福祉士と介護支援専門員の受験資格が得られました。
仕事を続けながらの資格取得を考えた際に、このふたつの資格であれば「なんとかなる」と思ったのです。
通所リハビリテーションでの仕事を通して、ある程度は介護保険制度のことを理解していたので「取り組みやすい」と思ったのも理由のひとつでした。
たしかに、いちばん取りたい資格(言語聴覚士)ではありません。
しかし、結果を出せなかった場合のダメージ(時間とお金)が最小であることも考慮していたのです。
家族の生活に関わってくるから。
考え抜いた末の介護福祉士と介護支援専門員だったのです。
それを、女房は「言語聴覚士を目指すべきだ」と。
そうしないと「後悔するよ」と言うのです。
「資格を妥協して決めるような生半可な気持ちじゃだめだよ」とも言いたかったのでしょう。
しかし、学校に通うとなると、その間の収入が途絶えるし、学費など多大な経費がかかります。
返事に躊躇していると「学費や生活費はなんとかやりくりするから」とも言ってくれました。
僕の想いを理解し応援するといった女房の気持ちがひしひしと伝わってきました。
彼女の言葉で、迷いが吹っ切れました。
僕は言語聴覚士になりたい!
先ずは、専門学校の入試に向けた準備です。
学校に入学しないことには何も始まりません。
自宅からの通学圏内には、言語聴覚学科のある専門学校が2校ありました。
1校目は通学が1時間圏内で3年全日制
2校目は通学が2時間半かかる2年全日制
夜間の4年コースはなし(理学療法士のみ)
そして、4年生大学を卒業していれば2年コースが選択できました。
翌年春の学校入学時の僕の年齢は46歳。
言語聴覚士国家試験に一発合格できれば
2年コースだと免許取得が48歳。
3年コースだと免許取得が49歳。
迷うことなく2年コースです。
定年から逆算して
50歳前の1年はとても大きいから。
入学試験について調べました。
そして、年明けの本試験とは別に、社会人受験者向けの「AO入試」というのがある事を知り願書を提出しました。
転職を繰り返していた時期は、たくさん履歴書を書いてきました。
そして、願書に自分の経歴を書きながら
「引退するまでに、あと何回こうして経歴書を書くことがあるのだろうか?」
と考えた事を覚えています。
そして、11月のAO入試の受験が決定しました。